数年前に一度会ったきりのBは、まだ同じ店で働いていた。
「もらった500万円は2日くらいで使い切りました(笑い)。お金がなくなったら九州に帰ります。でも1週間もするとBに会いたくなる。そのたびにAさんに仕事だと説明し、また500万円をもらい、歌舞伎町に直行していました。2か月で7回ほどこんなことを繰り返しましたね。
Bとは3回目くらいからは店ではなくホテルで会いました。高級ホテルのルームサービスを楽しみながらBに優しく、気持ちよくしてもらう。そのときだけ生きている気がしました。お金の入った封筒から手づかみでチップを渡すから500万円なんてすぐになくなります。でも、もう一泊したい。その度にAさんに電話して追加のお金を送ってもらいました」
だが、そんな生活も長くは続かない。
「Aさんは私に愛情を持っていたんだと思います。でも、私の好みはB。一刻も早く会いたくて仕方がない。そんなことだから、クリスマスの日にAさんと大喧嘩してしまうんです。お互いに感情的になって……私はAさんの用意してくれたケーキを彼の顔に押しつけて逃げ出したんです」
山辺被告がその間に受け取った額は4500万円にものぼるという。Bとの思い出を語る山辺被告の瞳からは涙がこぼれていた。