国内

教育熱心家庭に人気の公文式、今どきの親のニーズに合致か

ハリウッドセレブも公文を!(公式HPより)

 最近、都心の教育熱心なママに公文式がとにかく人気という。発火点は、育児・教育ジャーナリストのおおたとしまさ氏が昨年2月に上梓した『なぜ、東大生の3人に1人が公文式なのか?』(祥伝社新書)だ。公文式の実力が十二分に伝わるタイトルが今やママたちの合い言葉レベルになるまで浸透している。

 もともと公文式は、高校の数学教師であった創始者の公文公(とおる)氏が、小学生だった長男のために学習プリントをつくったところから始まっている。組織化されたのは1958年。自宅を学習の場として提供できる主婦など女性を積極的に先生として雇用し、瞬く間に大阪から全国へと広まった。

 現在の教室数は1万6300で、全国約2万校といわれる小学校よりも少し少ない程度にまで増えている。日本だけでなく世界50の国と地域にも広まっていて、生徒数は全世界で約435万人(数字は2017年3月時点)。ハリウッドセレブの関心も高く、ヒュー・ジャックマン(49才)が、子供のものとみられる公文式の教材を手に歩いている写真は、ママたちを中心に大きな話題となった。

 東京都内の教室の指導者として15年以上のキャリアを持つ50代女性が特徴を説明する。

「週に2回、決められた日なら何時に来ても構いません。決まった枚数のプリントを全問正解すれば、すぐに帰っていいことになっています。自学自習を伸ばすのがモットーなので、子供が自力で正解にたどり着くまで、何度でも問題に向き合わせます。その際、子供たちの出来不出来や、どれくらい時間がかかるかをチェックします。教材がよくできているので、私たちはそのサポートをしている感じです」

 おおた氏は、その性質が今どきの親のニーズに合致していると指摘する。

「学校では、みんなに同じ内容を教えるので、理解の早い子には物足りないし、遅い子はついていけません。一人ひとりの学力を伸ばせる仕組みになっていないのです。そこに物足りなさを感じる保護者が、注目しているのでしょう」

 一般的な塾の場合では理解度によってクラスが編成されることが多いが、それでも、1人の先生が多くの生徒を同時に教えるというスタイルは学校と変わらない。学ぶことの目的も一般的な塾と公文式では異なる。塾のゴールは大抵の場合、受験、そして合格だが、公文式はそこをゴールに設定していない。公文式では、レベル別学習が徹底され、いうなれば、“自分の限界に挑戦できること”が魅力だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

今季から選手活動を休止することを発表したカーリング女子の本橋麻里(Xより)
《日本が変わってきてますね》ロコ・ソラーレ本橋麻里氏がSNSで参院選投票を促す理由 講演する機会が増えて…支持政党を「推し」と呼ぶ若者にも見解
NEWSポストセブン
白石隆浩死刑囚
《女性を家に連れ込むのが得意》座間9人殺害・白石死刑囚が明かしていた「金を奪って強引な性行為をしてから殺害」のスリル…あまりにも身勝手な主張【死刑執行】
NEWSポストセブン
失言後に記者会見を開いた自民党の鶴保庸介氏(時事通信フォト)
「運のいいことに…」「卒業証書チラ見せ」…失言や騒動で謝罪した政治家たちの実例に学ぶ“やっちゃいけない謝り方”
NEWSポストセブン
球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン