習氏といえば、汚職撲滅を目的とした反腐敗運動で、高級品のプレゼントや過度の接待を禁止し、中国共産党員に贅沢禁止令を命じていることで知られることから、湖南省の弁護士の陳以軒氏が、中朝首脳間の晩餐の費用と内訳の公開を求める申し入れ書を国務院に提出したほどだ。このほか、習氏を批判するネット上の書き込みが直ちに削除されたように、陳氏の申し入れ書も無視されるとみられるが、習氏のイメージの悪化に通じることは確実とみられる。
これについて、『習近平の正体』の著者で、中国事情に詳しいジャーナリストの相馬勝氏はこう指摘する。
「北朝鮮の金委員長と韓国の文在寅大統領の南北首脳会談やトランプ大統領との米朝首脳会談が決まるなか、北朝鮮に大きな影響力を持つといわれてきた中国の最高首脳として、習氏は『1人蚊帳の外』との疎外感を強く感じてきたのかもしれません。
それが今回の中朝会談で、再び北朝鮮をめぐる対外外交で大きな影響力と持つことになったわけで、その代償として1本2100万円もの茅台酒6本を含めたプレゼント代金が17億円になっても、それほど高くないと感じているのではないでしょうか」