石破茂・元幹事長の佳子夫人は、選挙の際は応援で全国を回る夫にかわって地元に張り付く「古いタイプの政治家夫人」として知られていたが、一昨年の大晦日、石破氏が地元事務所でカップ麺の年越しそばを食べる写真が週刊誌に報じられ、後援者から、「総理総裁を狙う政治家が年越しにカップ麺なんて、奥さんは何をしてるのか」という声があがった。
自民党「魔の3回生」を中心とする若手議員の妻となると、「夫とは別」とドライに自分の仕事を持ち、地元に滅私奉公という意識はどんどん希薄になっている。自民党秘書が語る。
「九州選出のある議員は選挙に弱く、後援会からは『夫人に仕事を辞めてもらって地元を回ってほしい』との声が上がっている。だが、官僚である夫人は、『公務員だから選挙活動はできない』と断わっているそうです。別の議員の夫人は保育士で、忙しくて選挙を手伝う暇もない」
選挙を手伝うこともなく、事務所の秘書にも顔をみせず、なんと、国会議員夫人であることを隠して近所のスーパーでレジ打ちのパートをしていた妻もいる。
逆に、地元には帰らないが議員会館の事務所に頻繁に通って秘書の仕事に口を出し、デパート通いの運転手をさせる“勘違い妻”も少なくない。そういう事務所に限って、「秘書がすぐ辞める」と評判になる。政治評論家・有馬晴海氏が言う。