映画「素敵なダイナマイトスキャンダル」が公開中
「打っていると、頭の中が空っぽになるくらい夢中になれる。でも、外に出ると薄暗くなっている。後ろめたさに心が締めつけられるんです」
そんな人間の話し相手になることができれば、と創刊した『パチンコ必勝ガイド』がこれまた大ヒット。20人ほどだった社員が瞬く間に200人となるなど、会社は急成長した。
一方、先物取引から手を引かず、借金は不動産取引も含めて3億7000万円にまで膨れ上がっていた。
「先物は10年間続けました。2000万円をぶち込んで丸々損したことも。お詫びにと、営業マンがピースライトを2カートン持ってきてくれました。計算すると1本5万円です(笑い)」
会社への多大なる貢献で、1990年代後半に取締役に昇進。だが、誰もが喜ぶはずの地位は、心を空虚にさせていた。
「一日中、机に座ってハンコを押しているだけの生活に耐えられなかった。隙を見てパチンコ屋に行っても、携帯に電話が掛かってくるんですよ」
2012年、白夜書房の子会社が運営する携帯サイトで賭博が行なわれていた事実が発覚。朝礼で突然、「責任を取って辞めます」と宣言した。
「カッコいいかなと思って(笑い)。辞める時って、勢いが必要なんですね。会社に行かないって、本当に楽です」