ライフ

SNSで無邪気にはしゃぐKY妻 夫の仕事に悪影響を及ぼす例も

SNSで突然、KYを発揮する人がいる

 2000年代中盤、女子高生のあいだで流行した「KY」とは、その場の空気(Kuuki)を読め(Yome)ずに雰囲気にふさわしくない言動をとる人のことを指した俗語だが、2007年に新語・流行語大賞の候補に選ばれたことで老若男女が知る言葉となった。それから約10年、SNSで無邪気にはしゃぐKY妻が増えたことで、夫の仕事や人間関係にどのような影響が出ているのかについてライターの宮添優氏がレポートする。

 * * *
 森友問題で国会が紛糾する中、野党やマスコミの目は、野党議員が「そもそも問題の発端は夫人にある」と言うように、首相夫人である安倍昭恵氏の一挙手一投足に向けられている。

 問題発覚以前から、昭恵氏は首相夫人として全国各地を飛び回り精力的に市民との交流を図っていたが、それがこのような形で「裏目」に出た感も否めず、安倍首相も”参っている”とも伝えられている。国会で安倍政権が野党だけでなく与党内からも追及される最中にも、昭恵夫人はSNSの更新を積極的に行っている。自身の投稿に書き込まれた「野党のバカげた質問……」といったコメントに「いいね」してしまうなど、脇の甘さもさることながら「KYっぷりが際立つ」と話すのは、大手紙政治部記者だ。

 ところ変わって、こちらは東京都内にある某中小企業の事務所。若い社員数人が一台のパソコンを取り囲み、怒声を上げていた。

「おい、また更新しやがった! なーにがネイルでエステだ……」
「こっちは給料減るわ、残業強いられるわ散々なのに……」
「クソ社長、なめんな!」

 深夜22時、残業時間中に彼らが見ていたのは、上司である「社長」の妻のブログだった。社員のうちの一人、正木優斗さん(仮名・28歳)が怒りに満ちた表情で吐き捨てる。

「景気回復なんて大ウソ! 賃金は上がるどころか、手当て額が縮小されたりサービス残業が増えて、実質的に給与は減っている。なのに”今によくなる”と社員をなだめてごまかす社長。そんな社長の夫人は、ブログで何を食べた、どこに行ったと毎日書き込むなどノンキなもんです。我々が休日出勤しているときにも、出張と称してこっそり家族旅行に行ってたことも件のブログで発覚しました。社長や会社への不信感は募る一方です」(正木さん)

 社会人6年目の正木さんの手取りは月に22万円ほど。身重の妻もおり、生活が「かなりきつい」中、社長夫人の「キラキラ系ブログ」を見る度に腹が立ち、業務へのやる気が削がれていくと話す。実は早い段階で「部下が妻のブログをチェックしている」ことを気づいていたという社長だが、まさか社員のフラストレーションをためる要因になるとは想像していなかったらしい。

 社長夫人はさらに「夫の会社の業績が悪い」「若い社員がだらしない」とまでブログで書いてしまったものだから、社員の不満は爆発したのだった。

「空気が読めないのはまだしも、僕たちを煽ってくるような内容で、さすがにキレましたね。業務内容について詳しく書いてくることもあり、会社の評判にも関わる」

関連キーワード

トピックス

初公判は9月9日に大阪地裁で開かれた
「全裸で浴槽の中にしゃがみ…」「拒否ったら鼻の骨を折ります」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が明かした“エグい暴行”「警察が『今しかないよ』と言ってくれて…」
NEWSポストセブン
指名手配中の八田與一容疑者(提供:大分県警)
《ひき逃げ手配犯・八田與一の母を直撃》「警察にはもう話したので…」“アクセルベタ踏み”で2人死傷から3年半、“女手ひとつで一生懸命育てた実母”が記者に語ったこと
NEWSポストセブン
初公判では、証拠取調べにおいて、弁護人はその大半の証拠の取調べに対し不同意としている
《交際相手の乳首と左薬指を切断》「切っても再生するから」「生活保護受けろ」コスプレイヤー・佐藤沙希被告の被害男性が語った“おぞましいほどの恐怖支配”と交際の実態
NEWSポストセブン
芸能活動を再開することがわかった新井浩文(時事通信フォト)
「ウチも性格上ぱぁ~っと言いたいタイプ」俳優・新井浩文が激ヤセ乗り越えて“1日限定”の舞台復帰を選んだ背景
NEWSポストセブン
国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白(左/時事通信フォト)
「あなたは日テレに捨てられたんだよっ!」国分太一の素顔を知る『ガチンコ!』で共演の武道家・大和龍門氏が激白「今の状態で戻っても…」「スパッと見切りを」
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
小説「ロリータ」からの引用か(Aでメイン、民主党資料より)
《女性たちの胸元、足、腰に書き込まれた文字の不気味…》10代少女らが被害を受けた闇深い人身売買事件で写真公開 米・心理学者が分析する“嫌悪される理由”とは
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン