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長寿県・長野で始まった「買い物弱者」対策の最前線

ファミリーマートJAの店内(JA上伊那提供)


◆スーパーが業態転換

 取材に対応してくれた下島副社長はJAの理事でもある。昨年には地方創生に貢献したとして政府から表彰を受けた。

 JA上伊那が住民の買い物を支援する活動はこれだけではない。コンビニ大手のファミリーマートとフランチャイズ契約を結び、山間部の過疎地域に次々と“多目的コンビニ”をオープンさせている。

 きっかけは、伊那市西箕輪地区にあったJA直営スーパーが過疎化の影響で売り上げが低迷し、閉店を検討しなければならなくなったことだ。

 だが、地域住民の買い物の拠点でもあったスーパーがなくなれば、買い物弱者を生んでしまう。それを危惧したJAが、コンビニへと業態転換を図ることで店舗の存続を図った。そして2013年に「ファミリーマートJA」が誕生。現在10店舗に拡大している。

 通常のコンビニ向けの商品である雑誌や日用品だけでなく、鮮魚や肉、野菜に加えて地元の特産品を販売するコーナーも設置。道の駅と同じく移動販売車の運行も実施している。

 コンビニとして生まれ変わることで、宅配や郵便、銀行のATM機能も付いた。買い物弱者を救うと同時に、総合的な地域の拠点となったのである。JA上伊那の御子柴茂樹組合長が話す。

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