ビジネス

「パートのおばちゃん」の存在が新人育成に効果的な理由

パート従業員の存在がネコ型新人の本領発揮につながる

 自由奔放で自発的に行動できる人を“ネコ型”と呼び、これからの時代に必要な人材だと説くのは、『「ネコ型」人間の時代──直感こそAIに勝る』(平凡社新書)を上梓した同志社大学政策学部教授の太田肇氏。しかし、いくら職場にネコ型の逸材が入社してきても、すぐに辞められてしまっては意味がない。では、どんな組織がネコ型人間を活かすのか。

 * * *
 本格的なAI時代に突入するこれからは、従順で礼儀正しいが受け身の「イヌ型」人間ではなく、マイペースだが直感や感性に優れ、自分で考えて行動する「ネコ型」人間こそ活躍できると拙著にも書いた。

 ところが現場で話を聞くと、せっかく「ネコ型」の新人が入社してきても、すぐ辞めてしまう。残った彼らも1年もたつと周りに適応し、すっかり「イヌ型」に変わってしまう。いずれにしても「ネコ型」の本領が発揮されないわけだ。その原因がどこにあるかを考えてみよう。

 以前は新人が職場に入ってくると、上司や先輩が厳しく指導したり叱ったりしながら、社会人としての心構え、振る舞い方をたたき込んだものだ。しかし、いまではそんなことをしたらネット上に「ブラック企業」と書き込まれるか、へたをするとパワハラで訴えられかねない。

 そのためどこの会社でも新人に対し、まるで腫れ物に触るように気を遣っている。優しくていねいに指導し、一人ひとりにメンター(指導役の先輩)をつけるなど至れり尽くせりだ。

 にもかかわらず、新人の早期離職が後を絶たない。そのため上司も先輩たちも、どう接していいのかわからず悩んでいるのが現状である。

 気づいてほしいのは、相手に対しよかれと思っている接し方、扱い方が実は逆効果になっている場合が少なくないということだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
8月に離婚を発表した加藤ローサとサッカー元日本代表の松井大輔さん
《“夫がアスリート”夫婦の明暗》日に日に高まる離婚発表・加藤ローサへの支持 “田中将大&里田まい”“長友佑都&平愛梨”など安泰組の秘訣は「妻の明るさ」 
女性セブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン