国内

日本は知らない間に“銃大国”、電車やバスでの持ち運び可能

いつの間にか“拳銃大国”になっていた日本(写真/アフロ)

 国宝・彦根城や、ゆるキャラ「ひこにゃん」で知られる滋賀県彦根市。日頃のどかな町で、凄惨な事件が起きてしまった。4月11日午後7時50分ごろ、同交番に勤務する19才のA巡査が、上司の井本光巡査部長(41才)を交番内で射殺するという前代未聞の殺人事件が発生したのだ。

 日本で生活していると、拳銃とは縁遠い。しかし、実際のところ15万丁もの拳銃が国内で違法に流通しているといわれている。そして、私たち一般市民でも、比較的手に入りやすい銃がある。「猟銃(散弾銃、ライフル銃、空気銃)」だ。

 シカやイノシシ、クマなどの大型動物を一撃で仕留める猟銃は銃刀法で管理されているが、各都道府県警の許諾があれば誰でも入手できる。猟銃を手に入れる大まかな流れは以下の通りだ。

 まず所轄警察の生活安全課に申請し、講習を受けた後に筆記試験がある。これに合格すれば住民票や医師の診断書を提出し、半日程度の実技講習を受ける。ちなみに筆記試験の合格率は6割程度。医師の診断書はアルコール中毒や精神疾患がないかをチェックするもので、民間射撃場で行われる実技講習は、講師の言うとおりにすればほぼ間違いなく合格する。

 実技講習をパスしたら教習終了証明書をもらい、銃砲店に行って購入する銃を探す。多くの銃は数万~十数万円程度で意外と安い。

「購入する銃が決まったら店から譲渡等許諾書を受け取り、その他の書類とともに各都道府県警に銃所持許可を申請すると、通常35日以内に『所持許可証』がもらえる。後は銃砲店に許可証を持っていき、購入した銃を引き取るだけです」(ある猟銃免許所持者)

 現在の銃所持許可証保有者はおよそ20万人。許可証の有効期間は3年だが、更新すれば継続できる。実際に芸能人の「銃愛好家」は多く、岩城滉一(67才)、小倉智昭(70才)、堺正章(71才)、ヒロミ(53才)らが射撃好きとして名を馳せる。

 だが安易な銃所持にはさまざまなリスクがある。猟銃を用いた凶悪事件はたびたび発生しており、2007年には佐世保市のスポーツクラブで散弾銃が乱射され8人が死傷し、2010年にも大阪府羽曳野市の猟銃乱射で3人が射殺されている。

 暴発の恐れも大きい。2007年には東京・目黒の医師宅で手入れ中の猟銃が暴発して2才の幼児が亡くなった。元北海道警銃器対策課勤務で「銃対のエース」と呼ばれた稲葉圭昭さんが語る。

関連記事

トピックス

硬式野球部監督の退任が発表された広陵高校・中井哲之氏
【広陵野球部・暴力問題で被害者父が告白】中井監督の退任後も「学校から連絡なし」…ほとぼり冷めたら復帰する可能性も 学校側は「警察の捜査に誠実に対応中」と回答
NEWSポストセブン
隆盛する女性用ファンタジーマッサージの配信番組が企画されていたという(左はイメージ、右は東京秘密基地HPより)
グローバル動画配信サービスが「女性用ファンタジーマッサージ店」と進めていた「男性セラピストのオーディション番組」、出演した20代女性が語った“撮影現場”「有名女性タレントがマッサージを受け、男性の施術を評価して…」
NEWSポストセブン
『1億2千万人アンケート タミ様のお告げ』(TBS系)では関東特集が放送される(番組公式HPより)
《「もう“関東”に行ったのか…」の声も》バラエティの「関東特集」は番組打ち切りの“危険なサイン”? 「延命措置に過ぎない」とも言われる企画が作られる理由
NEWSポストセブン
海外SNSで大流行している“ニッキー・チャレンジ”(Instagramより)
【ピンヒールで危険な姿勢に…】海外SNSで大流行“ニッキー・チャレンジ”、生後2週間の赤ちゃんを巻き込んだインフルエンサーの動画に非難殺到
NEWSポストセブン
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン