対北攻撃に出るとすれば、核・ミサイル基地を標的に巡航ミサイルなどでピンポイントに攻撃する「サージカル・ストライク(外科手術的攻撃)」となる可能性が高い。

 サージカル・ストライクでも一般的には100日前後の準備期間が必要とされるが、米太平洋軍の準備が進み、その期間は70日まで短縮されたと言われる。

 現代の戦争で自国民に数千人規模の死者が出れば、民主主義国の政権は持たない。2月の下院軍事委員会の公聴会でハリス米太平洋軍司令官は約20万人と言われる在韓米国人の退避について質問され、「避難計画の改定作業を進めている」と異例の踏み込んだ発言をした。これは平壌への強烈なメッセージになったはずだ。

 トランプが先制攻撃を命じれば、金正恩も黙ってはいまい。38度線の北側に配備した長距離砲でソウルを火の海にするとしている。米朝が開戦すれば300万人が犠牲になるとの試算もある。シリアへの空爆では、アメリカ軍が反撃を浴びることはないが、朝鮮半島では全く異なる。

 現に1994年の第一次朝鮮半島の核危機では、その夥しい犠牲者数の予測を前に開戦に踏み切れなかった。かわりにカーター元米国大統領が特使として訪朝し、土壇場で米朝枠組み合意が成立した。

◆スリーパーセル浸透の可能性も

 夥しい犠牲が想定されるなら、武力行使に訴えることは難しい。だが、予測不能のトランプがどう行動するか、容易に読めない。政権発足以降、側近の軍人、軍の経験者は連携して大統領に武力行使がもたらす結果について説得に努めてきた。

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