キリンビバレッジ「午後の紅茶」がプロモーションのために「#午後ティー女子」のハッシュタグをつけてツイートしたPRイラストが炎上。「モデル気取り自尊心高め女子」「ロリもどき自己愛沼女子」「仕切りたがり空回り女子」「ともだち依存系女子」などと「午後の紅茶」ユーザーの若い女性を若干ネガティブなニュアンスの「あるある」的に描写したことで、「女性蔑視ではないか」などという指摘が多数寄せられたのだ。
その結果、同社はツイートを削除、謝罪することになったが、今回のケースのように大企業によるネットPR戦略が炎上してしまう背景には何があるのか。長きにわたってネット炎上と企業のネットPR施策をウォッチし続けている、博報堂出身のネットニュース編集者・中川淳一郎氏が解説する。
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今回のイラストは、女性の観察眼に定評がある女性イラストレーターによるものです。「女子っぽい格好するのにも言い訳が必要」や、「目に入ったものすべてにとりあえず『かわいい』」「おなかへったらグミを食べる」「太っていないのに太ったと連発する」などと、恋愛サイトで公開する分には「あるある」的に認識される程度のものでしょう。
しかしながら大メーカーが広告として、自社製品の想定ユーザーらしき女性をイラストとキャプションで表現したことについて、大きな批判が巻き起こりました。曰く「お客様をバカにしている」と。不買運動も発生したようです。
日本では広告では冒険してはいけない空気が蔓延しています。広告業界の人と話をすると「数件でもクレームが来たら、その広告の差し替えやオンエア中止も検討することはあります」とのことなのです。広告も表現物の一つではありますが、本当は「販促物」なのですね。イメージを上げたり、販促効果をもたらすことを狙って作ったのに、それでイメージが下がったり不買運動を起こされては元も子もありません。
まぁ、今回もクレームをつけた人に対し、「怒ってる人は心が狭すぎ」的な批判も出てきてはおりますが、キリンビバレッジとしては、「見誤った」「ネットの風を読み損ねた」というところが正直なところでしょう。