国内

「成人年齢引き下げ」論議が象徴する“日本のIQ”の衰え

成人年齢引き下げは何が問題か

 先日、滋賀県彦根市で19歳の警察官が拳銃で上司を撃ち殺すという事件が起きたが、未成年だからと匿名報道が続いている。18歳選挙権がすでに実施されているのに、19歳で警察官も勤めている容疑者が、杓子定規に少年として匿名にされていることについて議論も起きている。成人年齢の考え方に潜む日本の問題について、経営コンサルタントの大前研一氏が考察する。

 * * *
 このところ日本という国の行政能力の劣化を象徴するニュースが相次いでいる。財務省の公文書改竄やセクハラ問題しかり、防衛省の自衛隊日報隠蔽問題しかり、文部科学省の前事務次官の授業内容報告要請問題しかりである。

 個々の議論はともかく、本質的な問題は政治家と官僚の総体的な能力低下にほかならない。いわば日本という国家の「集団IQ」が衰え、思考能力がなくなっているのだ。これは実にシリアスな問題である。

 さらに例を挙げれば、3.11からの復興の遅れをはじめ、全く使えないマイナンバー制度、すでに忘れ去られたプレミアムフライデー、税金の無駄遣いでしかない公務員の定年延長、21世紀に対応できない学習指導要領改訂案、失敗が目に見えているIR実施法など、枚挙に暇がない。国だけでなく東京都でも、大騒ぎした東京五輪の競技会場問題や築地市場の豊洲移転問題、人気取りの私立高校無償化など、あまりにもお粗末で失笑を禁じ得ない。

関連記事

トピックス

ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下の「慰霊の旅」に同行された愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、皇室とご自身の将来との間で板挟み「皇室と距離ができればこうした仕打ちがある」という前例になった眞子さんの結婚 将来の選択肢を“せばめようとする外圧”も 
女性セブン
“じゃないほう”だった男の挑戦はまだまだ続く
「いつか紅白で『白い雲のように』を歌いたい」元猿岩石・森脇和成が語る有吉弘行との「最近の関係性」
NEWSポストセブン
「ピットブル」による咬傷事故が相次いでいる(左・米軍住宅参考画像)
《沖縄で相次ぐピットブル事件》「チェーンを噛みちぎって引きずった痕も…」自治体が狂犬病の予防接種すら把握できない“特殊事情”「米軍関係者の飼い犬だった」 
NEWSポストセブン
白鵬の活動を支えるスポンサー企業は多いと思われたが…
白鵬「世界相撲グランドスラム」構想でトヨタ以外の巨大スポンサー離反の危機か? “白鵬杯”スポンサー筆頭格SANKYOは「会見報道を見て知った。寝耳に水です」
週刊ポスト
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルの飛行機でスヤスヤ》佳子さまの“寝顔動画”が拡散…「エコノミークラス」に乗った切実な事情
NEWSポストセブン
6月13日、航空会社『エア・インディア』の旅客機が墜落し乗客1名を除いた241名が死亡した(時事通信フォト/Xより)
《エア・インディア墜落事故》「ボタンが反応しない」「エアコンが起動しない」…“機内映像”で捉えられていた“異変”【乗客1名除く241名死亡】
NEWSポストセブン
ロスで暴動が広がっている(FreedomNews.TvのYouTubeより)
《大谷翔平の壁画前でデモ隊が暴徒化》 “危険すぎる通院”で危ぶまれる「真美子さんと娘の健康」、父の日を前に夫婦が迎えた「LAでの受難」
NEWSポストセブン
TBS田村真子アナウンサー
【インタビュー】TBS田村真子アナウンサーが明かす『ラヴィット!』放送1000回で流した涙の理由 「最近、肩の荷が下りた」「お姉さんでいなきゃと意識しています」
NEWSポストセブン
来来亭・浜松幸店の店主が異物混入の詳細を明かした(右は来来亭公式Xより)
《“ウジ虫混入ラーメン”が物議の来来亭》店主が明かした“当日の対応”「店舗内の目視では、虫は確認できなかった」「すぐにラーメンと餃子を作り直して」
NEWSポストセブン
金スマ放送終了に伴いひとり農業生活も引退へ(常陸大宮市のX、TBS公式サイトより)
《金スマ『ひとり農業』ロケ地が耕作放棄地に…》名物ディレクター・ヘルムート氏が畑の所有者に「農地はお返しします」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
オーストラリアの美容医療で研修や教育、広告制限など非外科的治療の規制強化、未成年はカウンセリングから7日間無条件で取り消し可能に、2025年9月から開始、インフルエンサーの活動も制限
その他