国際情報

中国の小学生 宿題逃れるため誘拐を自作自演して大騒動

宿題逃れの方便で大騒動に(イメージ写真:アフロ)

 子供が犯罪に巻き込まれることは、親にとって何よりも避けたい。そんな心情が逆に騒ぎを大きくさせるケースもある。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 かつて中国で横行し、社会に深刻な影を落としていた子供の誘拐事件。不完全な統計ではあるが、年間20万人が被害に遭っていたとされる。その被害者のほとんどは販売目的であるため殺害されるという話ではないが、子供を失った親たちの悲しみは深く、多くの悲劇を生んできた。

 問題はいま、やや落ち着いているとはいえ、社会の中に根付いた警戒感はいまだ払拭されていない。そんななかで起きた広東省の騒ぎが全国の人々を慌てさせた。

 2018年3月28日の『澎湃新聞』が伝えたタイトルは、〈広東省の小学生が誘拐に遭ったと告げるも本人にはケガはなく宿題のノートだけがなくなっていた〉である。

 タイトルを一見しただけで騒ぎの中身はおおよそ見当がつくのだろうが、そこは誘拐に敏感な中国社会のことである、ちょっとした騒ぎでは済まなかった。

 なかでも子供が「眼鏡をかけた男に無理やりワンボックスカーに乗せられそうになった」という証言をしたから大変なことになった。

 周辺に対して怪しいワンボックスカーの手配が行われると同時に、いまや刑事事件では大活躍の監視カメラのチェックまでが行われたが、それらしき対象が浮かんでこない。結局、もう一度きちんと小学生から話を聞き、持ち物でなくなっているのが宿題のノートだけという事実が明らかになり、騒ぎは収束したのである。

 なんともありがちな話だが、誘拐問題が社会に深く認知されている中国ならではの騒ぎといえるだろう。

関連キーワード

トピックス

三浦瑠麗(本人のインスタグラムより)
《清志被告と離婚》三浦瑠麗氏、夫が抱いていた「複雑な感情」なぜこのタイミングでの“夫婦卒業”なのか 
NEWSポストセブン
オフの日は夕方から飲み続けると公言する今田美桜(時事通信フォト)
【撮影終わりの送迎車でハイボール】今田美桜の酒豪伝説 親友・永野芽郁と“ダラダラ飲み”、ほろ酔い顔にスタッフもメロメロ
週刊ポスト
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン