国内

平尾受刑者 3週間150kmサバイバル生活のすべて

平尾受刑者逃走150km全ルート(本誌作成)


「尾道市街に入った平尾受刑者が目をつけたのはまたも家屋の屋根裏。留守がちだったとはいえ、向島にいた頃と違い、潜伏先は住民がいる立派な住宅でした。それでも屋根裏に大胆にも炊飯器まで持ち込み、散乱したペットボトルからは『生活ぶり』がうかがえたそうです」(前出・全国紙記者)

 5日間潜伏した平尾受刑者は、29日に尾道市内でバイクを盗むと、安芸長浜駅から電車に乗り、広島駅へ。日付が変わった30日正午前、広島市内のインターネットカフェの店員が「似た人がいる」と110番通報。付近を捜索していた警察官が、路地を逃走する平尾受刑者を発見し、猛ダッシュで小学校の塀を乗り越えようとしていたところを引きずり下ろし、確保。警察官の問いかけに「もう逃げん」と観念した平尾受刑者の長い長い逃走劇に、ようやく幕が下りた。

◆鬼ごっこで捕まらない

 平尾受刑者は福岡県の出身。1才年上の兄と、6才年下の妹の3人きょうだいの真ん中だった。

「父親は自動車関連の工場に勤めていましたが、あまり裕福な家庭というわけではありませんでした。このあたりはかつて炭鉱町として栄えた地域で、平尾さん一家は閉山で仕事を失った人のために融通された住宅に住んでいました。妹思いで、年の離れた幼い妹さんをすごくかわいがっていました。よくお兄ちゃんと一緒に家の周りで遊んでいたけど、運動神経が抜群で、お兄ちゃんより足が速かった。鬼ごっこではいつも最後まで捕まらない子でした」(近隣住民)

 大きな変化が起きたのは、小学校高学年の頃。両親が離婚し、母親ときょうだいとの暮らしになった。

「お母さんは結構厳しいタイプの人だったんですが、それをうっとうしいと思ってしまったようです。それから、悪い話を聞くようになりました。スーパーで万引して捕まったとか、自転車泥棒をして警察から逃げ回り大捕り物になったとか。たばことかお菓子とか、盗んだものをいつも周囲に自慢していて、ついたあだ名は『ルパン』。高校に上がってから、車を盗んだという噂を聞いたこともあります」(前出・知人)

 平尾受刑者の刑期は、残り2年を切っていた。だが、逃走と、その間に犯した窃盗などにより、10年以上の刑期が上乗せされることは免れない。“銭形警部”の出る幕は、しばらくなさそうだ。

※女性セブン2018年5月24日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン