実際、最近は郊外型店の「テックランド」を中心に家電、インテリア、雑貨を融合した新業態「家電住まいる館YAMADA」への業態転換を急いでおり、この新業態店舗を早期に100店まで展開することも明らかにしている。また、PB商品の第1弾としてソファーも投入済みだ。前述した家電製品のPBは総じて消費者の目は厳しかったが、果たして家具関連商品ではどうだろうか。
ニトリホールディングスも昨春、中古リフォーム会社のカチタス株を34%取得し、一部家電製品にも打って出るなど、ヤマダ電機とのバッティング領域が広がりつつある。ひょっとすると将来、ここにアイリスオーヤマあたりも参戦してくるかもしれないし、インテリアや家具、住宅も手がける無印良品(運営は良品計画)もライバルになってくる。
さらに、住宅と家電製品の親和性の高さという点でいえば、パナソニック傘下のパナソニックホーム(=旧パナホーム。パナソニックの完全子会社化によって上場は廃止)なども競合社であり、まさに垣根を超えた戦いになってきている。
そういう意味ではヤマダ電機も将来、社名から「電機」の文字を消し、多様な業態をぶら下げる持ち株会社に移行して、家電製品も扱っている総合住生活企業として、“ヤマダホールディングス”に変わっているかもしれない。
新社長の三嶋氏が登場する6月末以降、その分岐点に入っていくわけで、果たしてヤマダ電機が往年の勢いを取り戻せるかどうか、いずれにせよ、その鍵を握るのは住関連商品になることは間違いない。
●文/河野圭祐(ジャーナリスト)