このPBはともかく、通常のビジネスで見ても、アマゾンを筆頭にしたネット通販に押されているトレンドはまだ変わっていない。むしろ、都心型店舗が従来から多かったビックカメラやヨドバシカメラのほうが元気な印象だ。実際、最近ノートパソコンの物色で池袋に買い物に出たという30代の会社員はこう語る。
「池袋はヤマダ電機の大型店(=日本総本店)があって、近隣のビックカメラはそんなに大きな店じゃない。でも、自分はパソコン売り場以外は見比べてないけど、明らかにヤマダ電機のほうが客が少なかった」
もちろん、ヤマダ電機も自社のウエブサイトから買い物はできるが、同業他社のネット通販サイトと比較しても、「ビックやヨドバシのサイトはたまに使うけど、ヤマダ電機のサイトから買ったことはほとんどない」(前述の30代会社員)と、これまた劣勢の感がある。
一方で、ヤマダ電機は「脱家電量販店」は業界で先駆けてきた。まだ売上高が2兆円を超えていた2011年、プレハブ住宅を手がけるエス・バイ・エルを買収(現・ヤマダ・エスバイエルホーム)。だが、ヤマダ・エスバイエルホームは2018年2月期決算も赤字に下方修正し、低空飛行が続いている状況だ。
そんな中、昨年秋にはリフォーム会社のナカヤマを傘下に収め、さらにこの6月末、ヤマダ電機社長に就任する三嶋恒夫氏はエディオン出身で、同社のリフォーム事業を牽引してきた人物。ヤマダ電機が今後、住宅関連事業にさらに大きく舵を切るだろうことは誰の目にも明らかだ。