ソーシア監督はメジャー屈指の知将として知られている。1980年代はドジャースの正捕手として活躍。2000年にエンゼルス監督に就任後は、送りバントや盗塁を多用するスモールベースボールを実践し、2002年にはワールドシリーズ制覇も果たした。今シーズンで19年目となるキャリアは30球団の現職監督として最も長い。

「自分のスタイルを変えない頑固者という側面もある。ソーシア采配の特徴は3人、4人と早め早めにリリーフを投入するスタイル。今季もリリーフ陣が壊滅状態なのに、投板回数はメジャートップクラスです。このままでは大谷の勝ち星が次々と潰されかねない」(同前)

◆ポイントは「16連戦」

 ソーシア監督が大谷を早めに降ろすのは“球界の宝”として大事に扱ってくれているから──という見方もできるだろう。しかしエンゼルスの“投壊”は、ソーシア監督を確実に大谷酷使の方向に向かわせている。5月12日、ソーシア監督はメディアに向かってこう漏らしたのだ。

「ショウヘイには中6日ではなく、中5日で投げられるようになってもらいたい。今すぐに投げさせるわけではないが、いつかはできると思う」

 メジャーでも二刀流を貫こうとする大谷がエンゼルスを選んだのは、「日本ハム時代と同じ中6日登板を前提とした二刀流」を容認したからだとされている。他球団からのオファーは、もっと投手・大谷に軸足を置くプランだったとされ、エンゼルスだけが、“満額回答”だったとみられる。その“入団条件”を反故にするような発言の背景に何があるのか。

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