女性の活躍が望まれ、生き方も多様化した現代の日本社会。晩婚化も進み、非婚の人も増えているが、総務省の調査では、50才までに子供を持たない女性の割合は、1955年生まれでは12.6%なのに対し、2000年生まれの人では31.6%になるという。
そんな予想がされる中、大人ライフプロデューサーのくどうみやこさんの著書『誰も教えてくれなかった子どものいない人生の歩き方』(主婦の友社)がネットで話題になっている。
100人以上から直接話を聞いたというくどうさんのアンケートでは、「子供がいないことで感じたこと」として、「子供がいる友人との距離感」「子供がいる人と話が合わない」など、7割近くが子供の有無で溝を感じているという結果に。
だが、子供がいる人といない人で話がかみ合わないのは、脳の成熟の仕方が違うからだと、人工知能研究者の黒川伊保子さんは指摘する。
「お母さんたちの脳は、出産授乳に伴ういくつものホルモンの洗礼を受けて、些細なことは気にならなくなります。
また、大切な存在に意識を集中する脳になるため、周囲に対する意識が薄れます。意識対象の美点や変化に繊細に気づき、臨機応変力があがる一方で、客観性が薄れ、周囲への配慮が欠けがち。この点が、子供がいない人にとっては自己中心的で、話が合わないと感じさせるのでしょう」(黒川さん・以下同)
一方、産んでいない人は、偏ることなくまんべんなく母性(気づき守る能力)を使うことができるので、全体を客観的に見てそれぞれの長所や短所が把握できるため、それぞれのよさを見出すことができ、バランスのとれた対応ができるのだ。
「出産経験がないから未成熟なのではなく、ないからこそ周囲に気配りができ、公平に見守り育てることができる脳なのです。出産経験のあるなしで脳が異なるため、同じものを見ているようでも、実際には見え方が異なります。
お互いに話題が合わないと感じたら、ホルモンの影響だからしかたがないと思えば、気持ちがラクになりますよ」
※女性セブン2018年5月31日号