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「誤診がん」と診断されればその後は悲惨な人生、裁判沙汰も

見落としと「誤診がん」は表裏一体

 がんと診断され、闘病生活を続けた数年後、突然病院から「本当はがんではありませんでした」と告げられたら何を思うか。

 がんの不安が消えたことでその瞬間は安堵するかもしれない。だがその後に残るのは、無駄な手術や投薬による副作用や後遺症だけ──そんな悲惨な“誤診”の被害者が、実は少なくないという。

 がんの罹患率が全国平均より高い青森県が県内10町村で2011年度にがん検診者を対象に実施した調査によると、胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、子宮頸がんの検診を受診した計2万1316人のうち、1720人ががんでないのに「要精密検査」と判定されていた。受診者の12人に1人(約8%)が偽陽性の判定を受けていたことになる。

 がん検診から精密検査へと幾重にも続く検査の網を経ても“誤診がん”と診断されてしまうと、その後は悲惨である。

 2007年に新潟大学医歯学総合病院は、60代の男性を前立腺がんと誤診し、2年間にわたって不要な放射線治療やホルモン療法を行なっていたことを明らかにした。研修医ががんと診断し、その後、専門医が悪性腫瘍ではないと診断してカルテを訂正したが、主治医は訂正に気づかなかったという。

 石川県の公立能登総合病院と金沢大学附属病院でも、似たような事件が起きている。80代の男性が尿路上皮がんと診断され、2009年8月に膀胱の摘出手術を受けたが、術後の病理診断でがん細胞は見つからなかった。

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