スポーツ

角居勝彦調教師が考察 名牝から名馬は産まれないのか

名調教師が競馬界のジンクスについて語る

 ついに競馬の祭典・日本ダービー。新種牡馬産駒の出走もあり、血統的な興味も大きいが、牝系に注目してみるのも面白い。調教師・角居勝彦氏の週刊ポストの人気連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」より、“名牝”から“名馬”は産まれないのかについてお届けする。

 * * *
 角居厩舎でダービーといえば第74回を勝ったウオッカ。牝馬としてはダービー史上3頭目、64年ぶりの偉業でした。父・タニノギムレットとともに同じオーナーで親子制覇ということでも話題をさらいました。「ダービー馬はダービー馬から」といわれますが、さすがに母と子の組み合わせはない。角居厩舎では母親とのご縁からか子ども4頭を預からせてもらいました。ウオッカの子でダービーを勝つ──それは厩舎として究極の目標です。

 ウオッカの子はなぜだか馬体が大きくなる傾向にある。最初の子、ボラーレは580キロの牡馬でした。しかしスピードがワンペースになりやすく、なかなか勝てなかった。妹のケースバイケースも同じような感じで、2頭ともに未勝利を突破することなく引退。その妹タニノアーバンシーが頑張っているものの、「ウオッカの子は難しい」という印象を流布してしまったようです。

 タニノフランケルは少し違いました。体重こそ500キロを越えていますがあまり手足が長くなく、2歳8月にはデビュー、2戦目で勝ち上がることができました。昇級後4戦は掲示板こそ確保するものの勝ちきれない競馬が続いていましたが、4月に待望の2勝目。京都新聞杯に挑戦しましたが、スタートのつまずきが響いて力を出し切れませんでした。

 タニノフランケルが敗退したからというわけではありませんが、競馬界では昔から「名牝から名馬は産まれない」といわれたりします。

 種牡馬は年に100頭以上種付けをする事もありますが、牝馬は年に1頭しか産めないので、確率的に当然ともいえます。

関連キーワード

関連記事

トピックス

中村雅俊が松田優作との思い出などを振り返る(撮影/塩原 洋)
《中村雅俊が語る“俺たちの時代”》松田優作との共演を振り返る「よく説教され、ライブに来ては『おまえ歌をやめろよ』と言われた」
週刊ポスト
レフェリー時代の笹崎さん(共同通信社)
《人喰いグマの襲撃》犠牲となった元プロレスレフェリーの無念 襲ったクマの胃袋には「植物性のものはひとつもなく、人間を食べていたことが確認された」  
女性セブン
大谷と真美子夫人の出勤ルーティンとは
《真美子さんとの出勤ルーティン》大谷翔平が「10万円前後のセレブ向けベビーカー」を押して球場入りする理由【愛娘とともにリラックス】
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(秋田県上小阿仁村の住居で発見されたクマのおぞましい足跡「全自動さじなげ委員会」提供/PIXTA)
「飼い犬もズタズタに」「車に爪あとがベタベタと…」空腹グマがまたも殺人、遺体から浮かび上がった“激しい殺意”と数日前の“事故の前兆”《岩手県・クマ被害》
NEWSポストセブン
「秋の園遊会」でペールブルーを選ばれた皇后雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《洋装スタイルで魅せた》皇后雅子さま、秋の園遊会でペールブルーのセットアップをお召しに 寒色でもくすみカラーで秋らしさを感じさせるコーデ
NEWSポストセブン
11歳年上の交際相手に殺害されたとされるチャンタール・バダルさん(21)。千葉のビジネス専門学校へ入学しようと考えていたという
「『彼女がめっちゃ泣いていた』と相談を…」“背が低くておとなしい”浅香真美容疑者(32)と“ハンサムな弟”バダルさん(21)の「破局トラブル」とは《刺されたネパール人の兄が証言》
チャリティーバザーを訪問された秋篠宮家・次女の佳子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA)
《4年会えていない姉への思いも?》佳子さま、8年前に小室眞子さんが着用した“お下がり”ワンピで登場 民族衣装のようなデザインにパールをプラスしてエレガントに
NEWSポストセブン
約2時間30分のインタビューで語り尽くした西岡さん
フジテレビ倍率2500倍、マンション購入6.2億円…異色の経歴を持つ元アナ西岡孝洋が明かす「フジテレビの看板を下ろしたかった」本当のワケ
NEWSポストセブン
佳子さまの“着帽なし”の装いが物議を醸している(写真/共同通信社)
「マナーとして大丈夫なのか」と心配の声も…佳子さま“脱帽ファッション”に込められた「姉の眞子さんから受け継ぐ」日本の伝統文化への思い
週刊ポスト
医師がおすすめ!ウイルスなどの感染症対策に大切なこととは…?(写真はイメージです)
感染予防の新常識は「のどを制するものが冬を制する」 風邪の季節に注意すべき“のど乾燥スパイラル”とは?
NEWSポストセブン
真美子さんが“奥様会”の写真に登場するたびに話題に(Instagram /時事通信フォト)
《ピチピチTシャツをデニムジャケットで覆って》大谷翔平の妻・真美子さん「奥様会」での活動を支える“元モデル先輩ママ” 横並びで笑顔を見せて
NEWSポストセブン
クマによる被害が相次いでいる(左・イメージマート)
《男女4人死傷の“秋田殺人グマ”》被害者には「顔に大きく爪で抉られた痕跡」、「クラクションを鳴らしたら軽トラに突進」目撃者男性を襲った恐怖の一幕
NEWSポストセブン