医療情報はネットで見る時代。先日、パーキンソン病に苦しむ知り合いの自宅へ行った。広告費稼ぎを狙う意図が見え見えの信憑性が薄そうなサイトのパーキンソン病に関する情報を見て「この手術しかないかな……」などとやっている。「あまり信じない方がいいぞ……」と思いながら彼の動きを見ていたが突然怒りだした。サイトの下の方に「500万円をすぐに稼ぐ方法教えます」の広告が出てきたのだ。
高額の治療費が必要な彼に対し、怪しげな情報商材を売りつけようとしているのだ。「こんなインチキ広告をオレに見せるなよ……」と言っていただけに「ネットde真実」にまだ毒されてはいない、と少し安心した。
●なかがわ・じゅんいちろう/1973年生まれ。ネットで発生する諍いや珍事件をウオッチしてレポートするのが仕事。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』など。
※週刊ポスト2018年6月8日号