ビジネス

中古マンション 「こんな物件を選んではいけない」10か条

中古マンションは契約前に様々な見極め方法がある

 首都圏や近畿圏の中古マンション市場が停滞している。新築市場のバブル化に吊られて表面的な売り出し価格は上昇しているが、成約数は多くない。また、成約価格と売り出し価格の乖離も目立ってきた。高値売却を諦めた売り手が、値引き要求を受け容れているのだ。

 こういう時の中古マンション購入は、上手に動かないと高値でつまらない物件を掴んでしまう。住宅ジャーナリストの榊淳司氏が、中古マンション選びで「やっていはいけない10か条」を指摘する。

 * * *
(1)総会議事録の閲覧を渋る物件を買う

 マンションの管理には区分所有法という「憲法」がある。そこに管理組合の総会議事録は利害関係者の請求があれば閲覧させなければならない、と定められている。

 総会議事録は管理組合が年に1回開く総会での議案や決議内容、予算と決算などが出ている。いわゆるそのマンションの通信簿みたいなものだ。熟読すれば、そのマンションの置かれた状況のあらましが分かる。

 中古マンションを購入しようとした場合、仲介業者に依頼すれば多少は面倒くさがられるがPDFで過去数年分を取り寄せてくれる場合がほとんど。

 ところが、東京の湾岸エリアに立地するあるタワーマンションでは「過去1年分を書面で閲覧できます。コピーは不可」と回答される。そのマンション、実は数年前に大規模修繕工事の見積もりを大手ゼネコン5社に依頼したところ、すべて辞退された、という経緯がある。その間の事情が分かるであろう総会議事録は閲覧できないのだ。

 このように、区分所有法で定められた議事録の閲覧を渋るマンションには、何か「不都合な事情」があると考えていい。そういうマンションは避けた方が無難だ。

(2)買い取り再販業者から買う

「当物件は当社が売主につき手数料不要」

 中古マンションの募集チラシにそのような文言を見かけることがあるはずだ。その場合は次の様に翻訳する。

「当物件は当社が安く買い叩いて多少のリフォームを施し、仲介手数料の何倍もの利益を乗せた上であなたにお売りします」

 そう言った物件の価格は、中古市場で最も高く取り引きされる水準に設定されている。決してお買い得物件ではない。

(3)リノベーション物件を買う

 上記のような住戸を、1棟のマンションの中でいくつかまとまっているのがリノベーション物件。1棟丸ごと、というケースもある。そういう物件は、売主が業者だけに市場の最高水準価格であるケースがほとんど。

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン