芸能

井ノ原快彦、現場でシナリオ変更する「渡瀬イズム」受け継ぐ

井ノ原は「渡瀬イズム」を引き継いだ

「刑事モノドラマ」の人気を左右するのは、“主役の刑事の個性”だ。『太陽にほえろ!』の石原裕次郎さんに始まり、『はぐれ刑事純情派』の藤田まことさん、『古畑任三郎』の田村正和、『相棒』の水谷豊。キャラクターがたつほどに、息の長いドラマになっていく。

 昨年3月に急逝した名優・渡瀬恒彦さん(享年72)に“指名”される形で、新シリーズ主演を引き継いだ井ノ原快彦(42才)にとって、今クールはその“個性の強さ”が問われる大一番だった。

「主演ドラマ『特捜9』(テレビ朝日系)の平均視聴率は14%ほどで、今クールドラマでトップ。“前作”の渡瀬さん主演『警視庁捜査一課9係』が12%程度なので、井ノ原さんもホッと胸を撫で下ろしているでしょうね」(テレビ局関係者)

 NHKの朝の情報番組『あさイチ』の司会を8年間も務めるなど、爽やかで穏やかな印象の井ノ原だが、『特捜9』の現場ではガチンコ。

「撮影が進む中で井ノ原さんにアイディアが浮かんだときは、迷わず脚本家と掛け合い、セリフだけではなく、シナリオ自体を変更するそうです。ベテランの役者さんでもなかなかできません。決まったスケジュールやセットの中で、特に刑事ドラマは推理やトリックも綿密に計算された上で脚本が書かれるので、変更には手間がかかります。中途半端にはできません。それでも、“もっといい作品にしたい”と共演者だけでなく、スタッフも進んで協力する。井ノ原さんの人柄と熱意があってのことでしょうね」(ドラマ関係者)

 そこには井ノ原の強いこだわりがある。父と慕う“前任者”から引き継いだ「渡瀬イズム」だ。

「今から12年前、『9係』の初回放送の撮影で、初めて渡瀬さんと共演したシーンが忘れられないそうです。リハーサルで、渡瀬さんが台本にないセリフを井ノ原さんに投げかけ、リアクションを求めました。井ノ原さんなりに考えて返した言葉を聞いて、渡瀬さんは黙りこんだ。そして本番前に“さっきのやり取り、本番でも使おう”と渡瀬さんから伝えられたそうです。

 役者自身の“個性”を引き出し、劇中のキャラクターと重ねていくことで、さらに役柄が個性的に、魅力的になる。そんな渡瀬さんの演技論を、今でも大切にしているから、シナリオにもセリフにも、自分の考え方を反映させるように意識しているんでしょう」(前出・ドラマ関係者)

『特捜9』のロングシリーズ化は必至だろう。

※女性セブン2018年6月21日号

関連記事

トピックス

自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《急逝・中山美穂さんが遺した家族》「次にいつ会えるのかは父親の判断」離婚した辻仁成との間に今年20歳になった長男…直近の元夫はSNS投稿で取り乱し
NEWSポストセブン
リハビリに励まれる美智子さま(写真/宮内庁提供)
美智子さま 大腿骨の骨折からわずか1か月半で、自らの足で歩行する驚異の快復 新年一般参賀では愛子さまが“介助役”を担われる可能性
女性セブン
怒りが収まらない大谷翔平(写真/AFP=時事)
大谷翔平、“水原一平被告が盗んだ金で買った野球カード”の返還を急いだ理由 厳しい対応の背景にあるのは、米国内で燻る大谷の“管理責任論”
女性セブン
木村一八が結婚に至った背景とは
【中山美穂さん急逝】『毎度お騒がせします』で恋人役の木村一八「励まし合いながら乗り越え笑い合った」追悼コメント
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
「救急車と消防車が駆けつけて…」俳優・中山美穂(54)さん急逝…自宅前に停まっていた「ナゾの一般車両」
NEWSポストセブン
進一さんとのひともんちゃくについて語る坂口
「今の彼女は言語化ができない状況」坂口杏里さんの元夫が語った“PayPay援助要求”の背景「お金がないはずはないのに…」「福祉の支援が必要」
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《追悼》中山美穂さんが生前に月1回通った“第2の実家” 焼肉店オーナーが明かす「お気に入りの指定席」「飾らない素顔」
NEWSポストセブン
殺人容疑で再逮捕された勝田州彦容疑者
《連続女児刺殺事件》再逮捕の勝田州彦容疑者が告白 犯行を急いだ理由は“母の小言”「勝田家では夕食に少しでも遅れるとかなり小言を言われます」
週刊ポスト
公務と受験勉強を両立されていらっしゃる悠仁さま(2024年8月、岐阜県関ヶ原町。撮影/JMPA)
《合否発表は来週》悠仁さまに「筑波大推薦入試を受験」報道「筑附の学生はちょっと有利かもしれません」背景に“高校教員のサポート体制”
NEWSポストセブン
学生時代の折田楓氏(左)。中央はフジテレビの小澤陽子アナ(フェイスブックより)
《“バーキン持ってキラキラ笑顔”をSNSに投稿》刑事告発されたPR会社・折田楓社長(33)、フジ人気アナとの華やかな交流
週刊ポスト
(時事通信フォト)
「妻を守るためなんじゃ…」韓国・尹大統領がいきなり戒厳令、背景に疑惑まみれの“美しすぎるファーストレディ”金建希夫人 かつてファンクラブ会員は9万人に
NEWSポストセブン
11月に不倫が報じられ、役職停止となった国民民主党の玉木雄一郎代表、相手のタレントは小泉みゆき(左・時事通信フォト、右・ブログより)
《国民・玉木代表が役職停止処分》お相手の元グラドル・小泉みゆき「連絡は取れているんですが…」観光大使つとめる高松市が答えた“意外な現状”
NEWSポストセブン