──女子の戦いにも異変あり?
オバタ:かつては「ダサい」の代名詞と言われた「ワセジョ」こと早稲田の女子学生たちが、続々と読モ界に進出している。1年間で『JJ』『CanCam』『ViVi』『Ray』の4誌に登場した読者モデルの延べ人数を算出したデータを見ると、2016年は慶應が78人で全大学中第1位、そして早稲田が74人で2位につけた。トップ争いということ自体意外だが、おしゃれで名高い慶應女子とたった4人差の接戦とは驚きである。が、もう少し見ていくとそれどころではない、2015年はなんと早稲田が1位で119人だ。2位は青山学院の117人、慶應は44人で10位だった(『大学ランキング』朝日新聞出版より)。
「日本一おしゃれな大学という称号は、30代以上の早稲田OB・OGには信じがたいだろうが、キャンパスに踏み入れると納得するだろう」とは、『大学ランキング』の編集を統括する小林哲夫氏の解説だ。そう。確かに、納得できるのである。かつての「ワセジョ」がダサさを意味したなんて、今からすると嘘みたいである。もっとも今でも「一姫(いちひめ)、二女(にじょ)、三婆(さんばば)、四屍(しかばね)」なる学内用語もあるが、男子と比べてポジティブで元気な印象だ。
──学生気質もずいぶん変わった?
オバタ:今の早大生は「在野精神」「反骨精神」「バンカラ」を知らないし、知っているのは少数の「早稲田オタク」のみだ。慶大生は「慶應ボーイ」と呼ばれる嫌な顔をする。そういう変化は確かにあるが、「早稲田らしさ・慶應らしさ」がなくなったかというと、そうでもない。学生たちに話を聞くと、それぞれ、じつに「らしい」答えが返ってくる。「(早稲田らしさがなくなったというのは)50代の人が学生の時も言われてたんじゃね?」「30年後、俺らも同じこと言ってると思う」というのは、早大生の答えだ。