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脚本家・山田太一氏が語る「我が人生の書棚」

脚本家・山田太一氏(撮影/藤岡雅樹)

 書には、先達の知恵、喜びや楽しみ、苦しみや悩みが詰まっている。脚本家の山田太一氏が、脳出血で倒れたあとの今でも忘れられぬ3冊を紹介する。

 * * *
 戦前、僕が小学生だったとき、両親は浅草で定食屋をやっていて、家にはインテリっぽい雰囲気はまったくなく、本らしい本はありませんでした。その頃、よく読んでいたのはかろうじて家にあった落語や講談の本です。

 文学作品なんかを読むようになったのは、戦後、中学生になってある国語の先生の大きな影響を受けてからです。その先生はヒロポン中毒で、他の青臭い先生と違い、深みのある人生を送っているような気がしました。それで信奉者となり、先生から借りた世界文学全集や三木清の『人生論ノート』、出隆の『哲学以前』といった本を読みました。以来、毎日本を読むようになって、本を読むことが自分の人生の一部になりました。

 大学に入った頃からは、本を読みながら、いいなと思った文章を抜き書きするようになりました。当時は図書館や友達から借りて本を読むことが多く、読んだら返さなければならなかったので、印象に残った文章を忘れないようにするためでした。その習慣はテレビドラマを書くようになって数年経つ頃まで続け、ノートは数十冊たまりました。

 人生で素晴らしいと思った本は無数にあり、「いい」という感覚はそのときどきによって変わりますが、ずっと変わらず読み返してきた本といえば、今回選んだものになります。

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