国内

蓮舫氏、政界はセクハラ当たり前・支援者からダンスの強要も

政界はセクハラが当たり前と語る蓮舫氏(撮影/浅野剛)

「均等法以前、以後」といういい方があるように、1985年の男女雇用機会均等法の成立により、女性の社会進出が進んだことは間違いない。キャスターの安藤優子さんが言う。

「法律は画期的なもので、それまではゼロに近かった報道の職場にも女性がどんどん増えていき、今では女性記者の方が多い部署もあるほどです」

 女性に門戸が開かれたのはマスコミの世界だけではない。時を同じくして工事現場作業員やタクシードライバーなど、男の代名詞のような職場にも、少しずつ女性が増えていった。一方で、国の「制度」ができても人々の「意識」はなかなか変わらない。

「女だから政治家のおじさんに話を聞いてもらえるんだろうとか、女を武器にしてとか、職場では幾度となく言われました。それを否定するために、自分の女性性を封印して、おじさんのように振る舞っていた。今では後悔していますが、当時はそうするよりほかなかった」(安藤さん)

 そのうえ、「仕事は腰かけ」に何の疑問も抱かなかった上の世代からは男のような働き方を理解してもらえない。

「母親からは『黒いスーツを着てニュースなんてやらず、早く結婚して子供を産んで、お嬢さんのような生活をしてほしいのに』とよく言われました。実際、家庭を守るという“女性の役割”に固執する意見は現在も根強く、法律で正当な権利として認められていても育休や産休を取ると嫌みを言われたり、望まない職場に飛ばされたりすることもあります。たとえ法律ができたとしても、人々の意識が変わらないと女性を取り巻く環境は変わらないんです」(安藤さん)

 とりわけ旧態依然なのが政治の世界だ。日本の女性国会議員は世界でも指折りの少なさで、衆議院にいたっては10人に1人の割合だ。過去に何度も女性議員の必要性が議論され、「マドンナブーム」や「小泉チルドレン」など時に“風”が吹いたとしても、その数はなかなか伸びない。

 2004年にタレントから政治家に転身した参議院議員の蓮舫さん(50才)は「そもそも女性は議員に立候補するハードルが高い」と指摘する。

「結婚していない女性は両親が、既婚女性は夫や夫の家族が立候補に反対するケースが多いんです。男性は失敗してもやり直しがききますが、女性の場合は失敗を“恥”とする古い固定観念が残っていて、女性が政治に手を挙げることに対するハードルが高い。

 とくに地方に行くほど、『家庭を守るべきなのになぜ政治をやるんだ』『落選したら家に恥をかかせるじゃないか』というプレッシャーが強くなり、立候補に踏み切れなくなります」

 いくつもの障害を乗り越えて当選した後に待っているのは、男尊女卑の社会だ。

「いざ政界に入ったらセクハラ、パワハラは当たり前。とくに市町村など自治体議員はいまだに支援者からカラオケやダンスを強要されて、若い女性議員ほど厳しい環境になります。しかも政界には育休や産休が存在しない。女性議員にとって、政治家であることは試練の連続です」(蓮舫議員)

関連記事

トピックス

逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン
話題を集めた佳子さま着用の水玉ワンピース(写真/共同通信社)
《夏らしくてとても爽やかとSNSで絶賛》佳子さま“何年も同じ水玉ワンピースを着回し”で体現する「皇室の伝統的な精神」
週刊ポスト
ヒグマの親子のイメージ(時事通信)
《駆除個体は名物熊“岩尾別の母さん”》地元で評判の「大人しいクマ」が人を襲ったワケ「現場は“アリの巣が沢山出来る”ヒヤリハット地点だった」【羅臼岳ヒグマ死亡事故】
NEWSポストセブン