数時間後、同県の担当者から連絡が入り、「改めて県内に4つある窓口に問い合わせたところ、事故件数が明らかになりました」と当初のアンケート内容と全く違う結果を示してきたのだ。
「打撲・骨折28」、「誤嚥2(飲食物の飲み込みがうまくいかないこと)」、「離設2」(施設から無断で外出してしまうこと)
これが2017年度の山形県の事故件数である。施設からの報告は窓口で止まっており、本誌取材班が問い合わせるまで集約していなかったとの説明だった。
一方、沖縄県の担当者はこう答えた。
「沖縄県の場合、施設からの事故報告はまず所在地の市町村に伝えられます。しかし、その全てが県に報告されるわけではありません。
事故により利用者が死亡した場合や身体拘束、虐待が事故原因となった場合、その他にも事故の事例を他の業者に情報提供することにより、同様の事故の発生の防止になると思われる案件に関してのみ、県にまで報告されることになります。この1年間(2017年度)に市町村の判断としては、そうした事例がなかったものと思われます」
何とも分かりにくい理屈だが、厚労省の指針がある以上、どんなに小さな事故であっても、施設が報告してきたのであれば指導監督を行なう自治体が把握するべきではないのだろうか。