──指示はしてない?
「そうですね。それは会社でも認められました」
──若手に何を話した?
「非常に厳しい取材だから『他社は、隠し録りしていると思うよ』と。ただ、会社側から『誤解される余地はあったのでは』と言われたので、『若い子に判断を間違わせたのであれば、年長者として批判は甘んじて受けます』と言いました」
──(若手記者の)受け取り方が違ったと。
「そう理解しています」
この釈明で想起させられるのが日大アメフト問題だ。選手は“悪質タックルの指示があった”と打ち明けているのに、監督・コーチが“理解に乖離があって本人が自発的にやった”と主張する構図だ。A氏にその点もぶつけると、
「全く違っていて、(若手記者とは)ほぼ初対面で、私のいうことを聞かなかったからといってどうにかなることもない。まあ、向こうがちょっと真面目で、必要以上にプレッシャーを感じたのかもしれませんが」
と淡々と話すのみだった。若手記者の側はこの“言い分”をどう聞くだろうか。
※週刊ポスト2018年6月29日号