ICレコーダーは、松山支局所属の20代女性記者のものだった。県庁での取材後、この女性記者は支局長に対して自ら「不適切な“隠し録り”をしてしまった」ことを申告したという。

「彼女の告白によれば『現場で一緒だったA記者からの指示だった』ということを訴えたそうです。

 彼女によると、“隠し録り”に難色を示していたが、A氏から『上着をかぶせておけば大丈夫だ。バレたら置き忘れていたといえばいい』という趣旨の話があり、押し切られたというのです。先輩でスクープ記者でもあるA氏の指示を拒めなかったようです」(同前)

◆若手が真面目すぎた

 社内では、6月11日に懲戒委員会が処分を決定。

「ただ、A氏には自分が指示したという認識はなく、会社の聴取が始まっても、『何が不祥事なのか』という態度だった。同日夜にA氏が所属する大阪支社で、社会部長が部員を集めて開いた説明会でもA氏については『指示でなく促しただけ』という妙な説明が繰り返された」(別の同社関係者)

 改めて共同通信に経緯を確認しても、「社内調査の結果、『A氏が録音を促し、後輩記者は従わざるを得ないと考えた』と判断した」(総務局)とするのみ(県は「レコーダーは物理的に裁断して処分した」と回答)。“指示でなく促しただけ”とはどういうことか。A氏を直撃した。

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