「発端はその10日前、県が国会に提出した文書でした。2015年3月の県と学園との打ち合わせメモで、同年2月に安倍首相が加計孝太郎理事長と面会し、獣医学部新設について、安倍氏が“いいね”とコメントしたと記されていた。この通りならば『2017年1月に初めて獣医学部新設計画を知った』というこれまでの首相答弁は虚偽になるため、一気に取材は過熱した」(大手紙デスク)

◆“置き忘れた”と言えばいい

 官邸は面会を否定し、学園側は「(県に)誤った情報を伝えた」と釈明に追われた。5月31日は“安倍・加計面会情報”発言の主として名乗り出た学園理事の渡辺良人事務局長が、初めて公の場に姿を現わすタイミングだった。

「官邸と学園の説明は明らかに不自然で、渡辺氏がどう申し開きをするのか、各社とも応援体制を組んで殺到。記者40人、テレビカメラ10台が駆けつけるほどの注目度でした」(同前)

 そうしたなかで共同通信の“盗聴取材”は起きた。

「県庁側から取材が許されたのは渡辺氏と県幹部の面会冒頭の5分間のみで、メディアはカメラの脚立のような動かしづらいもの以外は、全ての荷物を持って退室するよう求められた。ところが、会議室の椅子の上に、録音状態のICレコーダーを残していた記者がいたのです」(前出の関係者)

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