ライフ

愛犬家の間で話題の短編詩「犬の十戒」 日本語訳を全文公開

『犬の十戒』が愛犬家の間で話題(写真/Getty Images)

 作者不明の英文短編詩 『犬の十戒』が愛犬家の間で話題になっている。そこには、犬が飼い主にしてほしい10の願いごとが綴られている。世界中の愛犬家の感動を呼んだ、その全文を紹介する。

『犬の十戒』は、サイトによって少しずつ訳が異なる。今回は、犬の総合支援サイト『わんちゃんホンポ』で、ライターのnananaさん(28才・女性)が訳したものをご紹介する。そこには、これまで3頭の犬と暮らした経験を持つ彼女が込めた思いがあった。

「生まれた時から犬がそばにいる生活でした。ポメラニアンのミナミ、ダルメシアンのダル。どちらも温厚で、幼い私にも優しく接してくれました。その後、迎え入れたのはイングリッシュ・コッカー・スパニエルのラスティ。ラスティはやんちゃで、ソファは破く、オモチャの独占欲は強い、家族のベッドにオシッコをするといった感じでした。だけど、散歩に出かければ、人とすれ違うたびに“かわいい”とチヤホヤされていい気になる(笑い)。“手がかかる子ほどかわいい”という言葉が、まさにピッタリでした」(nananaさん。以下、「」内同)

 でも、犬の寿命は人間に比べ短い。当然、別れはやってくる。

「ミナミが天国に旅立ったのは私が小学生の時。体調が悪い状態が続き、いつ息を引き取ってもおかしくない状況でした。その日は私の誕生日で、午後から雪が降ってきました。学校から帰ると、ミナミはすでにソファの上で冷たくなっていました。風邪でたまたま学校を休んだ姉の腕の中で息を引き取ったそうです」

 その時刻は雪の降り始めの頃。大好きなお姉さんの腕の中で、nananaさんの誕生日を命日に選び、珍しい雪を降らしてくれた。それはミナミの“仕業”のようにも思えたという。そして、ダルとの別れは思いもよらないものだった。

「ダルは室外の大きなケージで飼っていたのですが、早朝、いつものようにおはようを言いに行くと、ケージの扉が開いていました。連れ去られたのか、逃げ出したのかはわかりません。こんなに突然すぎる別れを経験するとは思いませんでした」

 ラスティが旅立ったのは大学時代。地元を離れていたため、実家に戻れない日が続いていた。

「突然、母から電話があって“ラッちゃんが死んじゃったよ”と。すぐに実家に帰り、ソファに横たわるラスティを前に、後悔の念が押し寄せてきました。火葬場でラスティの手を握りながら、母と大泣きしたのを今でも鮮明に覚えています」

 現在、nananaさんは犬と暮らしてはいない。

「もちろんまた犬といっしょにいたい気持ちはあります。でも、『犬の十戒』を読むと、軽々しく飼ってはいけないと思ってしまいます」

 留守にしがちというライフスタイルがその理由だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
民放ドラマ初主演の俳優・磯村勇斗
《ムッチ先輩から1年》磯村勇斗が32歳の今「民放ドラマ初主演」の理由 “特撮ヒーロー出身のイケメン俳優”から脱却も
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン