舛添:いや、それは政治家としては当たり前の原理なんです。だって大臣になりたいから。安倍さんは5年以上も総理で、オリンピックまでやるとしたら8年近くになりなすよね。その間、気に入られなかった議員は、不遇を託(かこ)ってきたわけです。「忖度」とか「文書改ざん」とか様々な問題があったけど、もとを辿ればすべて、安倍さんを頂点とする官邸に気に入られたいから起こった事件です。長期政権だから、それが過ちに繋がってしまった。
稲田(朋美)さんを見ていたらわかるけど、中身はどうであれ安倍さんの寵愛を受けていれば、大臣になれるということを証明した。総理がリベラルな岸田さんに変わったら、岸田さんの機嫌をとらないと大臣になれないんだから、きっと翌日から転向しますよ。
古谷:片山さんも、“南京で日本人はひどいことをした”なんて発言をするようになるんですかね(笑)。
舛添:それは分かりません。でも、彼女もまだ大臣になってないですから、何がなんでも大臣になりたいというなら、考えるかもしれない。
※『女政治家の通信簿』刊行記念トークショー(6月13日、八重洲ブックセンター)より。
【プロフィール】
ふるや・つねひら/1982年、札幌市生まれ。文筆家。日本ペンクラブ正会員。立命館大学文学部史学科(日本史)卒業。インターネット、ネット右翼、若者論などを中心に言論活動を展開。近著に小説『愛国奴』、『女政治家の通信簿』。
ますぞえ・よういち/1948年福岡県北九州市生まれ。1971年東京大学法学部政治学科卒業。2001年参議院議員(自民党)に初当選し、厚生労働大臣等を歴任。2014年2月、都知事就任。2016年6月、辞任。近著に『都知事失格』。