ヒット祈願が東京・赤城神社で行われた((C)2018「焼肉ドラゴン」製作委員会)


「舞台のセットで毎日、煙がモクモクする中で肉を焼いていたので、撮影が終了した後も焼肉に行こうっ! という感じではなかった。焼肉は普段はよく食べるし、ホルモン系が大好きなんですけどね(笑い)」

 高度経済成長期の真っただ中、社会の片隅で懸命に生きた不器用な家族の姿を通じて、同作は普遍的なメッセージを伝えている。

「彼女たちは狭い焼肉店のなかで否応なく一緒に暮らし、みんなで喜怒哀楽をともにしていた。いろいろなことが起こるけれど、家族の絆だけはどんな権力をもってしても、最後まで崩れることはない。すごく深いテーマを描いていると思います」

 家族愛という単純な言葉ではくくりきれない、人間模様を描いた真木の熱演に注目したい。

【PROFILE】まき・ようこ/1982年、千葉県生まれ。2001年に映画デビューし、2006年の『ベロニカは死ぬことにした』で映画初主演。また同年『ゆれる』で第30回山路ふみ子映画賞新人女優賞受賞。2014年、『さよなら渓谷』で第37回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞、『そして父になる』で最優秀助演女優賞をダブル受賞するなど出演作多数

■取材・文/西谷 格

※週刊ポスト2018年7月6日号

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