智弁和歌山の左の主砲・林
──大阪桐蔭の打線は、左の変則投手を苦にする印象がある。
馬淵:左の変則や、右の下手投げで球持ちの長い投手を打ちあぐねていますね。振ってくる選手が多いだけに、序盤に得点が取れないと、焦りが生まれる。すると落ちるボール球に手を出し、空振りしてしまう。あの打線を抑えるなら、スピードボールじゃない。コントロールですよ。公式戦は神宮大会以降、無敗の大阪桐蔭ですが、意外と練習試合では負けている。穴はあります。
高嶋:大阪桐蔭とは、うちのエースの平田(龍輝)が疲れのない状態で当たりたい。しかし、平田ひとりでは桐蔭打線は抑えられないでしょう。2番手、3番手を探しておるんですが……。
──高嶋監督は昨秋の近畿大会で敗れた直後、春夏連覇を達成した1987年のPL学園に匹敵するチームと評した。
高嶋:それはリップサービス。うちも欲しかった選手がたくさん大阪桐蔭に入っている。それが腹立たしい。
馬淵:いつまでも大阪桐蔭の時代が続くとは思いません。チーム状況にはバイオリズムがあり、勝てない時期も必ず訪れる。僕は西谷君の太りすぎた身体のことを心配していますよ。いや、大阪桐蔭対策を考えるぐらいなら、西谷君が体調を崩すことを待った方が早いかも分からん。お菓子でも段ボールにどっさり入れて送りますかね(笑)。
(文中敬称略)
取材・文■柳川悠二 撮影■藤岡雅樹
※週刊ポスト2018年7月13日号