2018年プロ野球後半戦を熱くするのは、一軍レギュラー陣に疲れが見え始める暑い夏に、二軍で力を蓄えてきたイキのいい戦力たちだ。チームにとって、二軍からやってくる“救世主”を見出せるかは、監督の判断にもかかっている。阪神、近鉄などでコーチ経験のある350勝投手・米田哲也氏が指摘する。
「一軍に上げる選手は、二軍監督の推薦を基準に決めます。大切なのは、二軍監督やコーチの見極めを信じて一軍監督がきちんと起用すること。昇格させた選手を一軍監督がなかなか使わず、やっと代打やワンポイントで使ったと思ったら、結果が出ないとすぐに二軍に落とす場合もある。そういうやり方だと、救世主は出てこない」
そうした観点から古巣を心配するのは、阪神OBの遠山奬志氏だ。
「金本(知憲)監督と矢野(燿大)二軍監督の連携が取れているか心配です。二軍落ちしたロサリオが3戦連続マルチヒットと好調でも、金本監督は“見てみないと分からない”とコメントしている。驚きましたよ。一軍打線の厚みを増すためにも、二軍との情報共有は何より大事なはずですが……」
ロサリオはさておき、“救世主”は思わぬところから現われる。その幸運を掴むチームはどこか。
※週刊ポスト2018年7月13日号