芸能

桂宮治 パワフルで意表を突かれる奔放さが真骨頂の二ツ目

桂宮治の魅力を解説

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。広瀬氏の週刊ポスト連載「落語の目利き」より、3ヶ月に一度くらいのペースで「宮治本舗」と名付けた独演会を続けている人気の二ツ目、桂宮治(かつら・みやじ)について解説する。

 * * *
 パワフルに押しまくる元気いっぱいの芸風で人気の二ツ目、桂宮治。社会人生活を経て2008年に31歳で桂伸治に入門、前座の頃から「宮治は面白い」と評判で、二ツ目昇進後1年も経たないうちにNHK新人演芸大賞「落語部門」2012年度の大賞を受賞した。話題の「成金」(柳亭小痴楽、瀧川鯉八ら落語芸術協会の二ツ目によるユニット)の一員でもあるが、もともと単独で売れていた宮治に「成金」のイメージは希薄だ。

 5月21日、池袋の東京芸術劇場シアターウエストで宮治の独演会「第20回宮治本舗 池袋爆笑劇場」を観た。「宮治本舗」は内幸町ホールや国立演芸場など会場を移しながら、大体3ヵ月に一度くらいのペースで開催される。この会場は初めてだ。

 1席目は妾宅に出掛ける旦那と女房の焼きもちを描く『悋気の独楽』。妾が「叶姉妹と壇蜜を足したみたい」に色気ムンムン、旦那もエロ全開なのが宮治らしい。独楽の占いで何回やっても妾のところに行く旦那の独楽を調べてみると「肝心の心棒(辛抱)が狂ってます」……というのが普通のサゲだが、今日の宮治は「若い女のほうへ行くわけだ、前の持ち主がTOKIOの山口」と時事ネタの期間限定オチで笑わせた。

 2席目は見てない夢の内容を話せと皆に迫られる『天狗裁き』。「耳栓をしてるから聞こえない」と騙そうとする天狗、というのがバカバカしくていい。女房の「どんな夢見たの?」という台詞で終わらずに、再び冒頭の夫婦喧嘩の場面に戻って「これずっと続くんです……もうよろしいですか」と客に語りかけてサゲたが、こういうのは初めて聴いた。

関連記事

トピックス

大谷の母・加代子さん(左)と妻・真美子さん(右)
《真美子さんの“スマホ機種”に注目》大谷翔平が信頼する新妻の「母・加代子さんと同じ金銭感覚」
NEWSポストセブン
トルコ国籍で日本で育ったクルド人、ハスギュル・アッバス被告(SNSより)
【女子中学生と12歳少女に性的暴行】「俺の女もヤられた。あいつだけは許さない…」 執行猶予判決後に再び少女への性犯罪で逮捕・公判中のクルド人・ハスギュル・アッバス被告(21)の蛮行の数々
NEWSポストセブン
二階俊博・元幹事長の三男・伸康氏が不倫していることがわかった(時事通信フォト)
【スクープ】二階俊博・元自民党幹事長の三男・伸康氏が年下30代女性と不倫旅行 直撃に「お付き合いさせていただいている」と認める
NEWSポストセブン
雅子さまにとっての新たな1年が始まった(2024年12月、東京・千代田区。写真/宮内庁提供)
《雅子さま、誕生日文書の遅延が常態化》“丁寧すぎる”姿勢が裏目に 混乱を放置している周囲の責任も
女性セブン
M-1王者であり、今春に2度目の上方漫才大賞を受賞したお笑いコンビ・笑い飯(撮影/山口京和)
【「笑い飯」インタビュー】2度目の上方漫才大賞は「一応、ねらってはいた」 西田幸治は50歳になり「歯が3本なくなりました」
NEWSポストセブン
司忍組長も姿を見せた事始め式に密着した
《山口組「事始め」に異変》緊迫の恒例行事で「高山若頭の姿見えない…!」館内からは女性の声が聞こえ…納会では恒例のカラオケ大会も
NEWSポストセブン
浩子被告の顔写真すら報じられていない
田村瑠奈被告(30)が抱えていた“身体改造”願望「スネークタンにしたい」「タトゥーを入れたい」母親の困惑【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
「好きな女性アナウンサーランキング2024」でTBS初の1位に輝いた田村真子アナ(田村真子のInstagramより)
《好きな女性アナにランクイン》田村真子、江藤愛の2トップに若手も続々成長!なぜTBS女性アナは令和に躍進したのか
NEWSポストセブン
筑波大学・生命環境学群の生物学類に推薦入試で合格したことがわかった悠仁さま(時事通信フォト)
《筑波大キャンパスに早くも異変》悠仁さま推薦合格、学生宿舎の「大規模なリニューアル計画」が進行中
NEWSポストセブン
『世界の果てまでイッテQ!』に「ヴィンテージ武井」として出演していた芸人の武井俊祐さん
《消えた『イッテQ』芸人が告白》「数年間は番組を見られなかった」手越復帰に涙した理由、引退覚悟のオーディションで掴んだ“準レギュラー”
NEWSポストセブン
10月1日、ススキノ事件の第4回公判が行われた
「激しいプレイを想像するかもしれませんが…」田村瑠奈被告(30)の母親が語る“父娘でのSMプレイ”の全貌【ススキノ首切断事件】
NEWSポストセブン
12月6日に急逝した中山美穂さん
《追悼》中山美穂さん、芸能界きっての酒豪だった 妹・中山忍と通っていた焼肉店店主は「健康に気を使われていて、野菜もまんべんなく召し上がっていた」
女性セブン