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「火を使わない加熱式タバコならOK」の飲食店が増える理由

飲食店の風景も変わっている(写真はアイコス)

 火を使わない「加熱式たばこ」の普及が急速に進み、競争が激化している。2016年に全国販売を先駆けたフィリップ・モリス・インターナショナルの『iQOS(アイコス)』、翌2017年に全国展開したブリティッシュ・アメリカン・タバコの『glo(グロー)』に続き、今年7月からはJTの『Ploom TECH(プルーム・テック)』が全国のコンビニエンスストアなどで一斉販売をスタート。さらにJTは新製品を2018年末から2019年初頭にかけての投入を目指しており、三つ巴のバトルが激しさを増すのは必至の情勢だ。(文・入江一/ジャーナリスト)

 加熱式たばこの登場は、飲食店の風景も変えている。禁煙の店が増える一方で、原則禁煙としながらも「加熱式たばこならOK」という店舗が目立ってきているのだ。そのひとつが、東京・新橋のあるワインバー。界隈の飲食店では会社帰りのサラリーマンがたばこを片手に杯を重ねる姿が日常風景となっているが、同店の客層は少し違うという。

「たばこの臭いがワインの香りを邪魔するので店内禁煙にしていたのですが、加熱式たばこなら臭いも煙も気にならないということで、2年前からOKにしました。すると加熱式たばこの利用者はもちろん、たばこが苦手な非喫煙者の来店も増えたんです」(店長)

 以下は、同店に寄せられた顧客の声である。

「紙巻たばこだと煙はもちろん、髪の毛や服に臭いがつくのがイヤだったんですが、加熱式なら煙も臭いも気にならない」
「新橋はそれこそ煙がモクモクの店が多いイメージでしたが、ここならたばこを吸わない女性同士でも気兼ねなく来られます」

 それだけではない。たばこを吸わない従業員からも「これなら気にならない」という声が聞かれ、「加熱式たばこなら、吸う人にも吸わない人にも居心地の良い空間となり、お客さんや従業員への望まない受動喫煙対策というだけでなく、新たな客層の掘り起こしにもつながった」と店長は自信を深めている。

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