「今年で第22回となる世界相撲選手権は、日本の他にブラジルやモンゴルなどでも開催され、田中氏が率いる日大相撲部が世界中から“人材”を集めたり、人脈を広げる場として機能してきた。たとえばモンゴル出身の水戸龍は、日大OBが監督を務める高校の相撲部から日大に進み、在学中に世界相撲選手権で優勝。華々しい角界デビューにつなげている。また、横綱・白鵬は2016年のモンゴル大会の開催に尽力したが、白鵬は鳥取城北高の石浦外喜義・相撲部総監督をはじめ日大OBグループと関係が深い。
日大のCMが現地で流れ続けるのは、田中氏は辞任せず、来年のハワイ大会を成功させようと意気込んでいるからではないか」
一方で、一部では今回の騒動を受けてハワイ大会の中止も報じられるなど、状況は不透明だ。国際相撲連盟に連絡すると誰も電話に出ず、傘下団体の日本相撲連盟の担当者は「台湾で今年の世界大会があり、応対できる者がいない」とするのみだった。
日大、そして田中氏を巡る騒動発覚以来の内幕は、24日配信開始の電子書籍『100万人組織 「日本大学」の解剖』に詳しいが、第三者委の最終報告が出た後の展開は、まだまだ荒れ模様だ。
※週刊ポスト2018年8月3日号