「#児童虐待に取り組まない議員を私は支持しません」というハッシュタグをつけて、ツイートをしていた女性(53)は、シングルマザーとして子供二人を育て上げた。下の子が今年ちょうど成人式を迎える。
「自分の事を大変だった、頑張ったというつもりはありませんが、女一人で子育てができるという環境が日本にはありません。別れたのは自己責任、と言われてそれで終わり。偏見にも我慢しながら、自分のことなど一切考えずにがむしゃらにやるしかありませんでした。“シングルファーザー”という境遇の人たちも出てきて、こうしたひどい事件が報道されて、子育ての大切さ、結婚観について考える人が多くなったことはすごくいいことだと思います。若いママ、パパ世代の為にも、当事者である私たちが声を上げなければならないと思っています」
シングルマザーが一人でも子育てをしやすいように、強力な支援策を国や自治体が打ち出すことが必要ではないか。出生率の増加、婚活の後押しなどという前に、今いる子供を大切にできずに、この国の将来はない。そしてその支援とは、金だけではない。シングルマザー自身が、自分を認め、シングルマザーとして生きていくことに不安や後ろめたさを感じないでよい空気を作ることも、最重要課題だ。
子供が亡くなった、ひどい事件だった……。これで終わらせるわけにはいかない、そうした機運をネットで、リアルで今まで以上に感じるのは、筆者だけではないはずだ。この国を席巻する空気が今度こそ変わるのではないかと期待するのだ。