「設置率が最も高いのは東京都の99.9%。次に香川県の97.7%が続きますが、同じ四国で高温地域の愛媛県は5.9%と差が大きい。九州も福岡県は65.5%ですが、長崎県は8.6%しかありません」(内田さん)
暑い地域の設置率が必ずしも高くないこともポイントだ。
「過去5年間の県庁所在地の月間最高気温の平均が最も高い京都府のエアコン設置率は84%ですが、7番目に気温が高い奈良県の設置率はわずか7.4%。小1男児が亡くなった豊田市のある愛知県は全国で6番目に暑いのに、エアコン設置率は35.7%です」(内田さん)
設置状況は地域によって大きく異なる。この“冷熱格差”の背景には自治体の判断がある。
「市町村単位で見れば、設置率はほぼ100%か0%のどちらかです。小中学校の教育環境は市町村が管理するため、市町村が“子供のためにエアコンが必要”と判断すれば、自治体内のすべての学校に導入するため設置率は100%になるし、逆に“いらない”となれば設置校はほぼゼロのままです」(内田さん)
たとえば多治見市のエアコン設置率は0%だが、すぐ近くにある美濃市や岐阜市の設置率は100%である。
市町村にとってエアコン設置は「オール・オア・ナッシング」の選択なのだ。
※女性セブン2018年8月16日号