ライフ

マンション内イベントの是非 「管理費の流用」には要注意

住民同士のゴルフコンペが行われるマンションも

 神奈川県のとある分譲マンション。管理組合の理事会でこんな提案が持ち上がった。「住民同士の交流を深めるために、定期的にイベントを開催したらどうか?」。候補に挙がったのは、飲み会、バーベキュー、カラオケからゴルフコンペまで……。だが、「わざわざ参加したくない住民も多いはず」との反対意見も出て紛糾。果たしてマンションコミュニティはどこまで必要なのか。住宅ジャーナリストの榊淳司氏がレポートする。

 * * *
 口の悪い人は、マンションのことを「コンクリート長屋」と呼んだりする。同じ敷地の中にいくつもの住戸がある集合住宅ということなら、熊さん八っつぁんの時代の長屋と同じである。しかし、その暮らしぶりは大きく違う。

 現代日本のマンションは、だいたいが鉄筋コンクリート造である。各住戸を隔てる鉄筋コンクリートの厚さは最低でも150mm、厚いところは200mmを超えたりもする。乾式壁を多用しているタワーマンションでもない限り、隣戸の生活音が漏れ聞こえることはない。

 つまり、現代日本のマンションではのっぺらなタワータイプでない限りは多くの場合、各住戸のプライバシーは高度に守られていると言っていい。また、ご近所づきあいも不要である。隣にどんな人が住んでいるのか、知っている必要は何もない。また、大きな災害でも生じない限り、隣近所が助け合うようなことにもならない。

 ただし、分譲マンションを購入した場合には、自動的に管理組合の一員となる。その義務はまず、定められた管理費や修繕積立金を支払うこと。管理規約やその他の細則を守ること。そして、総会などでは区分所有者の一人として議決に賛否を投じること。さらには、時には理事や理事長の役職を引き受け、その責務を果たすこと。

 数千戸規模のマンションなら、一度も管理組合の理事などにならずに数十年を過ごすことができるかもしれない。しかし、数十戸規模なら何年かに一度、理事の順番が巡ってくる。それは義務なので、避けられないはずだ。

関連記事

トピックス

寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《木漏れ日のなかベビーカーを押す海外生活》眞子さん、苦渋の決断の背景に“寂しい思いをしている”小室圭さん母・佳代さんの親心
NEWSポストセブン
原付で日本一周に挑戦した勝村悠里さん
《横浜国立大学卒の24歳女子が原付で日本一周に挑戦》「今夜泊めてもらえませんか?」PR交渉で移動…新卒入社→わずか1年で退職して“SNS配信旅”を決意
NEWSポストセブン
米インフルエンサー兼ラッパーのリル・テイ(Xより)
金髪ベビーフェイスの米インフルエンサー(18)が“一糸まとわぬ姿”公開で3時間で約1億5000万円の収益〈9時から5時まで働く女性は敗北者〉〈リルは金持ち、お前は泣き虫〉
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
“田久保派”の元静岡県知事選候補者が証言する “あわや学歴詐称エピソード”「私も〈大卒〉と勝手に書かれた。それくらいアバウト」《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「少女を島に引き入れ売春斡旋した」悪名高い“ロリータ・エクスプレス”にトランプ大統領は乗ったのか《エプスタイン事件の被害者らが「独自の顧客リスト」作成を宣言》
NEWSポストセブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン
「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路とは…(写真/イメージマート)
【1500万円が戻ってこない…】「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路「経歴自慢をする人々に囲まれ、次第に疲弊して…」
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン