大豆を多めにとることが長生きに
宿で「“山の魚”を召し上がれ」と言われた近藤博士は、それが二丁重なった大きな豆腐であることに仰天した。村人は毎日それを食べるが、豆腐屋はない。娘たちは豆腐作りを覚えてから嫁入りをする風習があったという。村民は大豆が魚のようにたんぱく質が豊富であることを、経験則的に知っていたのだ。食生活と長寿の関係に詳しいイシハラクリニック院長の石原結實医師がこう解説する。
「大豆はコレステロールを抑制し、高脂血症を予防するリノール酸やリノレン酸、脳の働きをよくする大豆レシチンなどが含まれています。
その上、血行をよくしたり、強力な抗酸化作用のあるビタミンEも豊富でがん予防効果も期待できます。そのままでは繊維質が多く、消化・吸収されにくいのですが、豆腐や豆乳なら消化吸収率が飛躍的によくなります」
納豆として食べれば、さらなる効果も期待できると石原医師が続ける。
「大豆たんぱくが、より消化されやすいアミノ酸に分解される上、強力な解毒作用を有するビタミンB2も合成されますので、血液中の老廃物の解毒機能が促進されます。ナットウキナーゼが血栓を防ぎ、脳卒中や心筋梗塞などを予防する効果も期待できるのです」
毎日の食事に納豆を追加するだけなら、すぐに実行できそうだ。
※女性セブン2018年8月23・30日号