国際情報

中国の風水師 託宣が気に食わないと暴行されることすらある

風水師も命がけの仕事か(写真:アフロ)

 占いの類はあくまで本人が参考にするもの。結果が気に食わないからといって占い師を攻撃するとすればお門違いもいいところだが、中国ではそんな事件が実際に起きたという。現地の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 風水が「良い」とか「悪い」とか、そんな話は日本にもあふれている。しかし、中国社会において風水が果たす役割は比較にならないほど大きい。風水師に支払われる報酬も莫大で、富裕層が家を建てる時に依頼する風水師の報酬で億を超えるケースなどざらである。

 風水をみることのできるのは、道教の導師から仏教の僧、民間の特殊能力者などさまざまで、以来の中身も土地の吉凶から、健康、先祖の墓、近未来の自分の運命など広い範囲に及ぶ。中国人のコミュニティーの中では口コミで「どこそこにすごい能力をもった先生がいる」という噂が常に飛び交っていて、誰もがそうした情報に敏感である。

 ビジネスに失敗すれば、それを風水のせいだと考える者も多い。そんな中国にあって、さもありなん、という事件が起きた。高い料金を払って依頼したのに、風水師がいい加減なことをいったと怒り、暴行を加え、刀で脅し、最後には恐喝してしまったという事件だ。

 発端は、四川省南充市の劉という人物が母の葬儀の日時を決めるのに、友人を介して風水師に依頼したことだった。

 だが、劉は別の友人からその日が「忌日」であることを指摘される。疑問に思った劉が複数の風水師に意見を求めたところ、やはり良い日ではないとの指摘を受けた。

 このことで母の葬儀が出せなくなったことに腹を立てた劉は、前述したように風水師を暴行し、無理やり賠償金を取り立てたのである。今年六月末、南充市高坪区の裁判所が劉に対して懲役8ヵ月、罰金3000元(約5万円)を言い渡したことを『法制晩報』が報じている。

関連キーワード

トピックス

高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン