結果、違反の事実を確認後、所有者に通知し、意見を聴聞するなどの手続きを経た上で、当該建築物の除却、移転、改築、増築、修繕、模様替え、使用禁止、使用制限、その他の措置を命じることができます(建築基準法第9条1項)。
なんにせよ、危険な違法建築物がある場合は役所に相談し、調査してもらうのが最善の方法です。ただし、客観的な証拠で法令違反や危険性を説明できないと調査は期待できません。
今回の場合、私人が無断で隣地に立ち入ることはできないため限界はありますが、あなたの敷地側から高さ、幅、傾きがあれば、錘を垂らし、その程度を計測したり、危険状態を撮影してから相談されるのがよいでしょう。なお、役所が調査するときの費用は役所負担となります。
【弁護士プロフィール】竹下正己(たけした・まさみ):1946年、大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年、弁護士登録。
※週刊ポスト2018年8月31日号