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2018.08.27 16:00  週刊ポスト

“愛国保守知識人”が日本語を壊すブラックジョーク

 漢字の「醸」の偏(へん)は酉(とり)である。ただし「鶴」などの偏の鳥と区別するため「ひよみのとり」などと呼ばれる。これは「日読みのとり」、十二支の酉(とり)である。暦(こよみ)に使われ、日を読む(数える)。「読む」には「数える」の意味がある。暦そのものが「日(こ)読み」である。二日、三日の「か」と同源だ。

 新聞集金人のおじさんの故郷では「数える」を古語の「読む」という。方言の多くが古語であることは、民俗学の祖、柳田国男が『蝸牛考(かぎゅうこう)』などで論じている。

◆祖国とは国語である

 私は、私信などは正仮名遣い(旧仮名遣い、歴史的仮名遣い)で書く。大学卒業後から始めて五十年近くなる。仮名遣いには、新旧問わず、常にゆれがある。正仮名では「もうすぐ」を「もうすぐ」とするか「まうすぐ」とするか二説ある。私は「まうすぐ」と書く。理由は、私の住む名古屋の方言では「まあすぐ」と言うからだ。

 私は右翼でもなければ保守主義者でもない。ただ、日本文化の中に生きて思考している以上、日本語を大切にしなければならないと考えている。日本人を日本人たらしめているのは日本語である。先の柳田国男が、日本文化・日本語を庶民の中にまで分け入って考察したのは、明治近代国家成立の中で、あらためて日本人・日本文化とは何かを考えなければならなかったからだ。また、異色の哲学者E・シオランは「祖国とは国語である」と言っている。

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