• TOP
  • 国内
  • “愛国保守知識人”が日本語を壊すブラックジョーク

国内

2018.08.27 16:00  週刊ポスト

“愛国保守知識人”が日本語を壊すブラックジョーク

 右翼あるいは保守派の人は、どうも私と考えがちがうらしい。

 八月八日の産経新聞の書籍広告に、高池勝彦『反日勢力との法廷闘争―愛国弁護士の闘ひ』が出ていた。なるほど「闘ひ」か。書影のリード文を読むと「司法界は健全か、あるいは歪んでいるか?」。えっ「歪んでいる」だって。「歪んでゐる」だろう。

 少し古くなるが、二〇〇八年五月二十二日付産経新聞に名古屋特派員の早坂礼子記者が、チケットなどの買い占めを批判してこんなことを書いている。

「名古屋ではそういう亡者を『たわけ』と呼ぶ」「戯(たわ)けるが名詞化した言葉だが、本来は『田分け』で『先祖伝来の田畑を守らずに小分けしてしまう愚か者』を指した」

「たわけ」は東海圏で、また西日本でも使うが、その「本来は『田分け』」であるはずがない。正仮名で書けばすぐわかる。「たはけ」である。綴りがちがうのだ。奈良期にも江戸期にもいくらでも用例がある。

 この「たわけ」た説は、産経新聞の伝統らしい。今年六月六日の同紙連載企画「明治150年」にも、こうある。

「『愚か』の意味で使う『たわけ』という言葉の語源は『分割相続で田を分ける』こと」

 記者だけではない。寄稿者もちょっとおかしい。産経新聞の発行する月刊誌「正論」今年五月号に小川榮太郎が「恋愛至上主義、日本人が死に至る病」を執筆している。その内容はさて措き、仮名遣いが奇妙なのだ。

関連記事

トピックス