当時の報道を見ると、〈いずれも「塚原委員長に近い人脈の審判ばかりだ」〉〈あるコーチは「審判に不満をいうと、執行部から『あんた、そんなことをいったら、点が伸びないよ』と言われた」と話していた〉(いずれも1991年11月4日付朝日新聞)など、まるで日本ボクシング協会の“奈良判定”を彷彿とさせるエピソードが並ぶのだ。
「塚原夫妻はその後すぐに復権し、一時は朝日生命体操クラブの選手で女子の日本代表が占められるほどでした。ただ、近年は朝日の選手層が薄くなり、夫妻は焦って強引なスカウトをしていた。昨年の世界選手権で女子初の金メダル(ゆか)を獲った村上茉愛(日体大)もしつこく勧誘されて、断わったようです。今回の件は、ついにそうした強引さが明るみに出たということではないでしょうか」(同前)
まさか東京五輪で選手がボイコットという事態だけは避けてもらいたい。
※週刊ポスト2018年9月14日号