最終回に向けて、圭司と祐太郎の過去が明かされていく
具体的には、原案者であり、『ストレイヤーズ・クロニクル』など映画化された作品も多い、人気ミステリー作家の本多孝好さんが、作品の内容がばらつかないようキャラクターや舞台設定を作り込む。そして直木賞作家で2007年からシリーズ化したドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』(フジテレビ系)の原案・脚本を務めた金城一紀さんや、ドラマ『相棒』(テレビ朝日系)シリーズの徳永富彦さんなど、精鋭が集結。毎回、まるで濃縮版の映画のように見応えがあるのはそのためだ。
【2】山田孝之&菅田将暉ありきの物語
車いす生活を送り、デジタルを自由に操るクールなプログラマー圭司と、迷い猫のように自由奔放な祐太郎。物語の中心人物である彼らの人物像は、2年前にこの企画が始動した時から山田と菅田を想定して作られている。
「表現力のバリエーションでは20代、30代を代表する2人。圭司と祐太郎は、原案の本多さんが山田さんと菅田さんならここまで掘り下げて演じてくれるだろうと考えて作ったキャラクターです」(山田さん)
せりふや細かな設定も2人をイメージして描かれている。
【3】一見不必要な“余白”を入れ込む
2人の人柄を描く手法も素晴らしいと、ドラマウオッチャーでイラストレーターのまーぼーさんは言う。
「よその家に上がる時、祐太郎が、圭司の車いすの車輪をタオルで拭くシーンがあったんです。そのひとコマで、祐太郎の優しさ、身をゆだねる圭司が彼を信じているのが伝わってきました。そんなふうに、せりふで説明せず、想像の余白を持たせるところがいいんです」(まーぼーさん)
すべてを見たあと、もう一度、見たくなるのも不思議なところ。何度か繰り返し見ているうちに気づくシーンもあり、画面にくぎ付けになるのだという。