国際情報

韓国・済州島「イエメン難民殺到」を読み解く10のキーワード

難民申請するイエメン人への抗議集会(6月30日、ソウル) AFP/AFLO

「東洋のハワイ」と謳われる韓国の済州島に、遠い中東からやってきたイエメン難民が殺到し、衝撃が走っている。

 済州島には、内戦状態のイエメンから近隣諸国を経てマレーシアまで逃げてきた人々が、次々と来島し、難民申請を出している。済州島では2002年以来、観光促進のため諸外国からの旅行者に対し、30日までノービザで滞在できる制度をとっている。そして、2017年12月にはマレーシアのクアラルンプールと済州島をつなぐLCCの直行便が就航したのだ。

 イエメンでは2015年来、フーシ派と呼ばれるシーア派の武装勢力と暫定政権との間で内戦が繰り広げられているのだ。フーシ派の支配地域では、若い男は戦士として徴用されるか、処刑も含めた弾圧をこうむるという。難民の多くを男性が占めるのにはこうした事情もある。

 韓国では、「済州難民対策道民連帯」という団体が難民受け入れ反対運動を牽引し、難民申請者に国民並みの法的地位を与える難民法と政府を批判。一方、カトリックの団体などが難民支援活動を行っている。

 済州市の観光ホテルのキム・ウジュン社長も、熱心な難民支援者の一人だ。部屋を安価で提供し、自炊用に地下の食堂を開放したこのホテルには多くのイエメン人が集まっている。キム社長は「彼らが韓国にいる間は生活できるようにすべきです。韓国だって、植民地時代には満州に逃げた人もいるし、済州島の場合、四・三事件の時に日本に逃げた人が大勢いました。それと同じで、政治的な混乱から生きのびるために来た人たちなんですから」と語った。また、カトリック済州教区・移住司牧センターのキム・サンフン局長も無料診療、住居提供、韓国語講習などの活動を行っている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(容疑者の高校時代の卒業アルバム/容疑者の自宅)
「軍歌や歌謡曲を大声で歌っていた…」平原政徳容疑者、鑑定留置の結果は“心神耗弱”状態 近隣住民が見ていた素行「スピーカーを通して叫ぶ」【九州・女子中学生刺殺】
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン