今やコンビニでも買える酒飲みの味方「ウコン」。“スッキリした朝の目覚めに”などの売り文句で、二日酔い防止に摂る人も少なくない。だが、摂りすぎによる有害事例が多いのも特徴だ。一般社団法人「日本健康食品・サプリメント情報センター」理事の宇野文博さんが話す。
「ウコンの過剰摂取により薬物性肝障害を起こすことがあります。症状は倦怠感や食欲不振、発熱、吐き気などが考えられます」
大量摂取により国内での死亡例もあるというから、注意が必要だ。
女性なら誰しも望む若返り。女性ホルモン「エストロゲン」と似た構造を持つ「イソフラボン」は、年齢を経ると分泌量が減ってくる女性ホルモンの代わりに補充するといいかのような誘い文句で売られている。だが、こちらも注意が必要なようだ。
「濃縮された大豆イソフラボンの錠剤を長期にわたって摂取すると、子宮内膜組織に前がん性変化が起きる可能性が高まるとの報告があります。子宮内膜がんのリスクがあるかたが摂る際は、特に気をつけてください」(前出・医療ジャーナリスト)
約15年にわたってイソフラボン製品を摂り続けた64才の女性が不正出血を起こし、子宮筋腫と診断された日本のケースも報告されている。前出の畝山さんが言う。
「基本は食事です。必要な栄養素は健康食品ではなく、食事から摂るという原則に立ち返ってほしい。同時に、病気をお持ちのかたは主治医や薬剤師に相談してほしい。よく『薬をやめて健康食品に切り替えたい』と希望されるかたがいますが、薬の方が厳格にリスク管理がなされている。なんの規制もない健康食品に替えたいなどというのは、どれほど危険なことか」
万が一、健康被害が出てしまったときにはどうしたらいいのか。畝山さんが続ける。
「ほとんどのかたは、健康被害が起きても泣き寝入りしているのが現状です。販売元に相談しても『ウチの製品じゃなくて、他に口にしたものが原因では』と言われたら証明できません。何かがあったら、消費生活センターなどに報告してください。業者も消費者庁への報告が義務付けられており、今後、活用できるデータが残ります」
健康のためにと選んだ健康食品が自分の体を蝕んでいるとしたら、目も当てられない。自分や家族の口に入れるものは、しっかりとその安全性を確かめてからにしたい。
※女性セブン2018年9月27日号